ラーライブ〜MSGフリープロジェクト〜

石川県を中心に北陸で無化調でらーめんを作っている有志によるアミーゴ達の活動をブログに書いていきます。よろしくお願いいたします。

2017-02-17から1日間の記事一覧

金澤流麺物語 第42回

今回のブログからまた過去を振り返る物語に戻ります。内容はブログ第38回からの続きになります。どうぞよろしくお願いします。 ・ 僕たちの会社はBさんの会社に吸収合併される形になった。代表取締役がBさん。そしてAさんは取締役に収まった。 Aさんは居酒屋…

金澤流麺物語 第41回

今回のブログの内容までが今現在の話になります。次回のブログから再び過去を辿る物語になります。この現在の話を書きながら、どの様に物語を書き進めていくのか構成を考えていました。丁寧に書かないと誤解を招く様な場面が多くなるからです。 らーめん屋の…

金澤流麺物語 第40回

音楽はとても不思議です。音楽は形の見えないものです。空気の振動で伝わる『何か』です。 以前、クロマニヨンズの甲本ヒロトが少し興味深い発言をしていました。 「バンドなんてどこにも存在しない。俺たちバンドやってますっつったって、演奏してなきゃた…

金澤流麺物語 第39回

みなさん、こんにちは。南大祐です。石川県金沢市に引っ越してきて、二ヶ月以上経ちました。 ブログの第一回で書いたように、僕は自己破産をして失意の底に沈んだ状態で過ごしていました。 そこで過去の自分と向き合う為に、親友でありIGAZO LIMITED代表取締…

金澤流麺物語 第38回

僕は僕が引き起こした『クーデター騒動』から二ヶ月間、全く呑気に何の屈託もなく仕事を続けていた。呑気と言うよりも、ご機嫌に近い状態だった。 裏で行われている事も知らずに。 ある雨の日だった。その日の仕事を営業を終えて事務仕事をしていると、居酒…

金澤流麺物語 第37回

ミーティングも終わりかけた頃、急に現われたのはBさんだった。Bさんとは、ブログ29回に登場したAさんの親友だ。 Aさんは親友と呼んでいたが、その関係性は僕から見たら『親分』と『子分』『兄貴』と『舎弟』『ジャイアン』と『スネオ』にしか見えなかった…

金澤流麺物語 第36回

ファミレスにやってきたAさんは明らかに怒っていた。その怒りがどこから来ているかと聞かれたら、単純に 『部下である南が社長である自分に歯向かおうとしている』 という部分だけだったと思う。 Aさんはその小柄で小太りな体を大げさに左右に揺らして、いか…

金澤流麺物語 第35回

このブログを読んでくださってる皆さん、大変お待たせしました。大幅な加筆・修正・訂正の作業を終わらせました。文章の内容は特には変わってないので、ここまで続けて読んでくださっている方は読み返す必要はありません。 これからもコツコツと更新をしてい…

金澤流麺物語 第34回

Mとの別れはあまりにもあっけないものだった。Mがらーめん屋で働いてくれた日数はほぼ丸一年ほどだった。だからこの後11年続く海辺の町での生活では彼とは一度も会っていない。 後悔が山の様にある。 まず、らーめん屋への参加を絶対に認めるべきではなかっ…

金澤流麺物語 第33回

Mが修業先を退職して僕たちに合流したのは、Aさんが何の考えもなく発表してしまった『8月9日オープン』の2週間前だった。 本来であれば開店を2週間後に控えている状況であれば、工事はほぼ終わり、厨房機器も一通り揃い、試作や試食、オペレーションの確認、…

金澤流麺物語 第32回

Mの事は一生涯忘れないだろう。 少しMについて語らさせてほしい。 変わった奴だったが、彼と過ごした時間は本当に濃かった。 僕は彼に何もしてあげれなかった事を今でも悔やんでいる。 Mとの出会いは修業先のらーめん屋だった。彼は修業先の専務と店長の知り…

金澤流麺物語 第31回

物語の続きに入る前に、ひとつだけラグビーの話題を。日本代表にとってのラグビーワールドカップが終わりました。残念ながら決勝トーナメントには進めませんでしたが、本当に感動を与えてくれました。 写真のトンプソンルーク選手と田中史明選手。この身長差…

金澤流麺物語 第30回

物件を借りた途端に突貫工事が始まった。 居酒屋は料理担当のスタッフとHさんに任せて僕とAさんは工事に専念する事になった。それに合わせて日曜日に開催していた『らーめんデイ』はなくなった。 その辺りからAさんは本格的に今までのAさんではなくなってき…

金澤流麺物語 第29回

突然の知らせだった。もう辞めようと決心していた事を忘れてしまうほどだった。 Aさんはコツコツと物件を探す努力をしていたのだろうか? 僕はAさんの車で現地へと向かった。その物件はとても意外な場所にあった。地元駅から歩いて5分ほど。商店街からは離れ…

金澤流麺物語 第28回

人は誠実に生きたいと願う。 ~奴もやっと思い知ったであろう、その手でひそかに葬った人々の血が、わが身に硬くこびりついて落ちないのを。刻々に起る反乱の火の手が、その不義不忠を責め立てる、己の率いる軍兵どもも、ただ命令で動くだけのこと、心のつな…

金澤流麺物語 第27回

らーめんのスープ、 と一言に言ってもただ美味しいスープを作れば完成ではない。 お蕎麦でいうところの『かえし』に当たるタレや脂との割合のバランスや、タレそのものの完成度やスープとの相性、脂の香りや旨みの種類、またはそれら以外の食材を使う事で生…

金澤流麺物語 第26回

Aさんとの『ラーメン屋開業』に向けて動き出す事になった。 ラーメン屋を開業すると言っても、味も場所も何も決まっていない。僕はAさんの話しぶりから基本となる味や場所の目処も多少は進んでいると思ってこの話に乗っかる事になった。 しかし蓋を開けてみ…

金澤流麺物語 第25回

らーめんという食べ物は本当に不思議だと思う。 日本中でこれほどまでに認知されていて、深く親しまれている食事はないと思う。 日本人が全員らーめん評論家になれるんじゃないかというくらいにみんなが好みのらーめんに一家言があり、ひいきのラーメン屋が…

金澤流麺物語 第24回

Aさんの居酒屋に入るといきなり驚く事が待っていた。それは以前までAさんの居酒屋で一緒に飲んでいた飲み仲間のHさんが居酒屋で働いていた事だった。 僕は東京で働いている間はたまには居酒屋に顔をだしていたものの、細かい事情までは全く知らなかった。 H…

金澤流麺物語 第23回

悪夢を見る。 いつも似たような悪夢を見る。 その内容はシチュエーションは違えど、いつも自分が否定されて非難される夢だ。自分を否定してくる人物はいつも同一人物だ。否定される内容はいつも違うのだが、常に否定され続ける。 夢の中で最初はその否定に戦…

金澤流麺物語 第22回

まずはこちらの動画をご覧ください。 https://www.youtube.com/watch?v=d6XHGy00Fnk このライブ映像は、僕が海辺の町を離れる時に、僕の行きつけの『残心』というパクチービストロにて行われた僕の為の送別会イベント『Midnight Deadly Summer 』(アルファ…

金澤流麺物語 第21回

今日からブログのタイトル変えます。 これからも変わる可能性ありですが。 『崖っぷちブログ』は「崖っぷちから這い上がる!」という気持ちで命名しましたが、崖っぷちなのは当たり前で、そこから上がってなんぼやん?って気持ちで変えました。 もちろん、ラ…

金澤利益麺物語 第20回

ラグビーのワールドカップ、イングランド大会が始まった。本当に楽しみにしていたし、日本代表の試合はもちろん、時間の許す限りたくさんの試合をテレビで観戦するつもりだ。 今朝は朝の3:30に目覚ましをかけ、3:45から放送があった開幕戦 『イングランドvs…

金澤流麺物語 第19回

自己破産へと繋がる海辺の町での生活についての話と並行して,今現在の事や個人的な趣味格好についても書いていきたいと思う。 そろそろ第一回目のダイエットの途中経過の報告もしなきゃいけないし・・・。 数回に分けて現在の話を書いていきますので、みな…

金澤流麺物語 第18回

僕の修業期間はあっけなく幕を閉じる。 銀座店の準備は大忙しだった。細かい事を考えている暇なんてないくらいに大忙しだ。飲食店の立ち上げを経験した事のある人なら(そうそういないと思うけど)解ると思うが、期待と不安と時間のなさから来る焦りとで、ど…

金澤流麺物語 第17回

六本木店が軌道に乗らなかった理由は数多くある。その内容についてはここでは書くべきではないと前回のブログで説明をした。簡単にいうと、K県でのやり方を東京できちんと継承出来なかったのだ。僕たち現場の人間は与えられた環境で必死に戦った。やれるベス…

金澤流麺物語 第16回

現実は甘くなかった。 僕は六本木のど真ん中で無力感に苛まれていた。 六本木店は全く軌道に乗らなかったのだ。 その理由は数多ある。しかしその理由をここに書き連ねる事は、限りなくアンフェアな事に思われる。 なぜなら、僕の修業先は今やK県下にいくつも…

金澤流麺物語 第15回

ただれた私生活を送りながらも 『このままではいけない』 と感じ続けていた。僕は焦っていた。どうにかして自分に自信が欲しかったのだ。 僕は自分の経験のなさを埋めるために独学で料理の勉強を始めた。輸入食材店や乾物を多く扱っている店を探して、片っ端…

金澤流麺物語 第14回

僕の遊び癖は、職場の先輩やモトイもあまり良い顔をしなかった。僕は先輩にもモトイにも同じ時期に同じ内容の苦言を呈される。 「目標がなさすぎる。しっかりとした目標があればそこまで遊ばない。現状に流されすぎだ。」 今思えば至極まっとうで正しい意見…

金澤流麺物語 第13回

店での役割も収入も増え始めた頃、僕は今まで得た事のなかった充実感を感じ始めていた。 自分が夢中になれる仕事をして、それでいて周りから必要とされ、一人暮らしの身には多いくらいの収入をもらえるなんて思ってもみなかったのだ。 僕は満たされていた、…