ラーライブ〜MSGフリープロジェクト〜

石川県を中心に北陸で無化調でらーめんを作っている有志によるアミーゴ達の活動をブログに書いていきます。よろしくお願いいたします。

金澤流麺物語 第228回

アリシアキーズが好きだ!!はぁ、もしかしたらこの気持ちは・・・恋?!と勘違いするくらい、アリシアキーズが大好きです。

こんばんは。

音楽大好きのらーめん屋、金澤流麺らーめん南の南大祐です。

アリシアキーズを知ったのは結構最近で、Empire State of mind動画に感動してからでした。

それまでも黒人音楽は好きでしたが、R&Bをそれほどのめり込んでは聴いてこなかったので、アリシアキーズを聴いてからドップリとR&Bを聴くようになった感じです。

そういう【出会い】ってありますよね。

サンバを好きになったのはマリアヒタを知ってからでして、それから僕にとってマリアヒタはとても特別なシンガーでアーティストです。

ですから、アリシアキーズも僕にとってそんな存在です。

初めてアリシアキーズを知った時はほんまに衝撃を受けました。


「世の中にこんなに美しい人がいるのか?!これはCGか?!」

と思ったほど。

その長い手足。

美しさと愛らしさを兼ね備えた端正なルックス。

美しい褐色の肌。

そしてあの歌唱力・・・

ほんま神様はこの人に何物与えるねん、と嫉妬とか通り越して呆れほど感心と感動を覚えました。

前作の【Element of freedom】(←名作!!)

は、黒人音楽の枠を超えたドラマチックな作品で、コテコテのソウルミュージックからこういう風にエンターテイメントして行くのかなぁ?なんて思いながらもそのメロディと歌声に感動して聴いていました。

新しいアルバムが出るのをほんまに楽しみにしてて、そのニュースが届いてからはほんまに、僕がいつもSNSなんかで常に発言している『震えて待て!』状態で待っていました。

そんな時にこんなニュースが飛び込んで来ました。

アリシアキーズ、公の場所でもノーメイク宣言』

おそらくこれにはアリシアにとって大切で深い哲学が込められているのでしょう。

そこは僕ごときが憶測で語るのは野暮なので、避けておきたいと思います。

僕はアホみたいに「えー?メイクバリバリのアリシア、めちゃくちゃキレイやのになぁ?」とか思っていただけでした。

そしてこんな装飾を捨てたあまりにもナチュラルなアリシアの写真がネットに公表されました。

「次のアルバムはどうなるのかな??」

と僕は予想のつかない展開を待ち続けていました。

そして新しいアルバム【HERE】

これは、とんでもないくらいに素晴らしいアルバムでした・・・。

前作の【Element of freedom】もとても素晴らしいアルバムでしたが、どこか装飾過多という印象もなくはありませんでした、が!

このアルバムは全体を通してとてもオーガニックでナチュラルな音作り。

そして2曲目『the Gospel 』はアリシアのラップから始まります。

そのラップは、都会的な洗練さというよりも、まるでファンクミュージックの様に、自らの声を打楽器の様に連打してメッセージを叩きつける様な生々しい生命の力の様なものを感じました。

この時点で僕は「このアルバムはただ事ではない!」と興奮しっぱなしです。

次の曲【pawn it on】では、『すべてあなたに譲るわ。時計も装飾も必要じゃないの。』とリアルな自分自身をさらけ出す宣言の様な曲でした。

この曲を「成功者のアリシアキーズの立場じゃなかったらそんな事言えないよ。リアリティがない」なんて言っている人がいましたが、僕はそうは思いませんでした。

高級時計をしたければすればいいし、ブランドで身を固めたければそうすればいいし、それは個人の自由です。

「私は高級ブランドなんて身につけないわ!」と宣言するとこも、行き過ぎるとその思想自体が【ファッション】と化する場合もあります。

つまりは【自分自身の真実をどう感じてどう持つか?】ということを考えさせてくれているキッカケをアリシアが歌ってくれている、と思っています。

だからみんなそれぞれ、僕も僕だけの真実をしっかり握りしめて、そこからブレずに歩いていけばいいのだ、と思っています。

他にも素晴らしい曲がいっぱい入ってるんですよ!

でも全曲感想を書き出したらとんでもない長さのブログになるので、ここまで!

僕が伝えたかったことは、『アリシアキーズの新しいアルバムは、僕の心を震わせて前に進むための自分自身の根拠、真実、そうしたものをもう一度見直すキッカケをくれた』という事なんです。

先日、年末にニューヨークのタイムズスクエアで行われたアリシアキーズのライブ映像をYouTubeで見ました。

そこには化粧をほとんど(全く?)していないアリシアが大観衆の前で躍動していました。

それはそれは、キュートでチャーミングで、本当にありのままのアリシアを感じさせました。

歌と演奏はビビるくらいに圧巻でしたが!!!(ゲストにQティップやNAS、ジョンメイヤーなんが出て来てそれもほんま豪華!)

音楽ってほんまに力をくれますね。

また僕もこれでらーめんにさらに打ち込めそうです。

明日もあなたが優しくあります様に。

明日もあなたがあなたらしくあります様に。

LOVE & BEER!

そして

RAMEN & ROLL!!

金澤流麺物語 第227回

本日発売の『月刊金澤』という石川県を代表する情報誌のらーめん特集『極みのラーメン』に掲載していただきました。

月刊金澤の編集部の皆様、そして取材に来てくれた佐々木美絵ちゃん、本当にありがとうございました。

 

特に美絵ちゃんの書いてくれた文章と見出しには本当に感動しました。

特に見出しの文章の『物語を描写したような一杯に滲む、比類なき個性』


これには本当に心が震えました。

僕は常々人生の中で一番大事な事は【自己表現】だと言ってきました。
僕は人の一生とは『孤独』と『虚無』との戦いの連続で、『孤独』と『虚無』に打ち勝つ唯一の方法は『愛』だと信じています。
だから愛に満たされて幸せを感じることができたのであれば、生まれてきた目的は達成したようなものだと思っています。
ただ、その愛の感じ方は人それぞれだから、僕に当てはまる『愛の感じ方』が、ほかの誰かには当てはまらない可能性は大きいと思っています。
もちろん僕もいつかは本当に愛しあえて信頼し合える人と巡り合い、結婚ができれば・・・と思わなくもないのですが、それ以前に僕が最も感じることのできる愛が、『らーめんを作り、人に喜ばれる』という事だったりするから、ちょっと人生拗らせちゃいますよね。
それもただらーめんを作っていれば満足なのではなくて、『自己表現としてらーめんを作り、その自己表現が他者の喜びにまで昇華』されてこその愛なので、なかなかどうして、自分でも満足いくことなんてないですし、お客様はもっとシビアに「こんな味じゃ満たされないよ」と思っているのではないでしょうか。
でもいつかは本当にお客様に心から喜んでもらえるらーめんを作りたい。
そのために、もっと自分にキャパシティとスキルと経験が欲しい。
だから、ひたすら作り続ける・・・という毎日になります。
ですから、らーめんを作り続ける事が自分自身であり、愛への道になります。(そろそろ頭痛くなってきました?)

『自己表現』と『自己満足』は違います。

『自己満足』は自分だけが喜ぶこと。

『自己表現』をした上で、他者を喜ばせる。

そのために今は目一杯、フルスロットルで自分の中にある全てをらーめんの丼に注ぎ込んでいる段階です。
そこで生まれたらーめんは、らーめんとして完結ではなくてお客様の心に何かを宿して感情を揺らして完結だと思っています。
いわばらーめんは店とお客様とを繋ぐコミュニケーションツールです。

僕の投げかけた物語を、お客様が心の中で言葉にならないまま、完結させる。

それがこのらーめん屋、ひいては全ての飲食業という仕事の醍醐味ではないでしょうか。

そんな風に考えている僕の個性を、美絵ちゃんは誌面の中の限られた字数に目一杯詰め込んでくれました。
もちろんグルメ特集の一環なので、食材や材料や味に言及が必要です。
でもきっと美絵ちゃんはそれらの『グルメ特集』を超えた部分の何かを感じ取ってくれたのかなぁ?なんて思うととても感動しました。
少なからず、僕の『自己表現』は、取材を担当してくれた美絵ちゃんの心に何かしら投げることができたのかも知れません。

それはとてもとても嬉しいし幸せなこと・・・。

こういう毎日を重ねていけば、きっと僕のらーめんも僕のお店ももっと愛に溢れたものへと成長していけるような気がしてきます。
いつかそうなれたらいいな。
美絵ちゃん、ほんまにありがとう。

美絵ちゃんの文章を読んでうちに興味を持って来てくださったお客様が、少しでも気持ちがアップリフトされて帰路へつけるように、毎日精進していきます。

明日もあなたが優しくありますように。
明日もあなたがあなたらしくありますように。
LOVE & BEER!

そして!

RAMEN & ROLL!!

追伸!
『極みのラーメン』のカバー写真と、僕のページの隣は仲良しのラーメン屋【そらみち】です!
それもなんだか嬉しい。
青山君、今年はブレイクスルーしような!
Don´t blieve the hype!!!

 

金澤流麺物語 第226回

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます!新年一発目のブログです!

1ヶ月近く更新できなくてごめんなさい。

こんな事ではあきませんね。

目指せ!

連載1000回!

年末に新作気まぐれらーめん【ピカレスクの隠れた純情麺】をリリース。

 

年明けに新年一発目の気まぐれらーめん【ファンタズマ

 

そして来週、【tang tang eterno】(タン・タン・エテルノ。訳すと坦々麺よ永遠なれ←あやしい日本語訳・・・)と立て続けに三作リリースしました。

 

いつも来てくださるお客様も「ちょっとはやくないですか?」と戸惑ってらっしゃる方も多かったので、ここでひとまずストップします!

定番のらーめんプラス、毎日何かしらの『気まぐれわらーめん』がある、という形で営業していきます!

昨年4月に開店して、なんとか年を越しました。

昨年の11月一杯でそれまで1番の定番らーめんだった【淡麗金澤醤油らーめん】を封印。

そしてそもそも期間限定らーめんとして作った塩らーめん【ジャポネーゼ】と、金沢大地薄口醤油を使用した【エル★コラソン】が定番化。

そして、今度は昨年の7月から定番としてメニューに常にあった【濃醇金澤醤油らーめん】を封印します!

【濃醇金澤醤油らーめん】が完全にメニューから消えるのは今の所未定ですが、今ある濃醇用のタレがなくなり次第終了となります。

はやければ今月中に。

遅くても来月初旬くらいにはなくなる予定です。

こうしてメニューもどんどん新陳代謝をしていきます。

変化と進化を繰り返し、より価値のあるらーめんをお届けして、より皆様に喜んでもらえるような、そんな一年にしていきます!

今年も皆様にらーめんへのハッピーな驚きと美味しさを届けられるように努めて参ります。
今年もどうぞよろしくお願いいたします!
あなたが明日も優しくありますように。

あなたが明日もあなたらしくありますように。
LOVE & BEER!

そして

RAMEN & ROLL!!

金澤流麺物語 第225回

1週間もブログを書いてなかったのか・・・。毎日ブログ書くってなかなか大変やなぁ。

去年の今頃はブログを書くことが唯一の仕事みたいなもんやったから、ほぼ毎日更新してたけど、実際に店が走り出すとなかなか難しいもんですね。

妹から「早くブログを出版社の人に届く様に盛り上げて、書籍化して印税もらって!それでボーナスちょうだい!」と急かされてるので、ブログも頑張らねば。

妹のために。

最近、音楽の話でブログを始めるパターンが続いていましたが、今回も音楽の話から始めたいと思います。

11/14に新作のEL★CORAZONの試食会を開いた話は以前にも書きました。

そのメンバーは、金沢市玉鉾の自家製麺のぼるののぼるさん。金沢市窪のそらみちの青山くん、神田くん、さーしちゃんの三人。金沢市入江のワインショップ、カーヴ・ド・ヴェレゾンの本田さん。金沢市池田町のイタリアンバル、池田町バルバールの池端さん、野々市のカレー屋さんKOTTAのコッタさんと錚々たるメンバー。

らーめん屋さんだけではなか、様々な食に携わるメンバーと集まれる事に意義を感じています。

そんな中のたわいもない話でこんな会話になりました。

「南さん、ロックなんだから、 BGMもロックにしてガンガンかけたらいいんじゃないの?」

「いやね、俺自身がロックンロールなんで、もうロックンロールミュージックは必要ないんですわ。ロックンロールミュージックは、人生にちとロックの足りない人にこそ必要なんですわ。だから僕はサルサを聴いてようがR&Bを聴いてようが、何をしててもロックなんですわ」

これ、文章に書いて読んでみたらかなり頭の弱い人の発言みたいですね。

でもほんまにそう思うんです。

まだ10代だった頃や、何者かになりたくて焦りに焦っていたあの頃、僕にとってロックンロールミュージックは起爆剤でしたし、日々の生活を燃え上がらせて乗り越えていくためのガソリンでした。

今はどうにかこうにか周りの人の助けやご縁のおかげでらーめん屋になれて、毎日自己表現をして、そしてさらに高いレベルの自己表現を目指して戦っています。

若い頃の様な迷いや焦りもなく、目の前のやるべき仕事に全力で集中できています。

そうすると、もう起爆剤はいらないんです。

だって、常に自分自身で自分の心に着火する事が出来るから。

だから僕はずっとロックンロールなんだな、と思ってます。

かなり頭の痛くて弱い人の言葉みたいですが!

僕が19歳の時、従兄弟のお兄ちゃんが僕にFUNKという黒人音楽を教えてくれました。

「大ちゃん、FUNKってどういう意味かわかるかい?」

「え?そんなん全然わからへん」

「FUNKはさ、クサイ、とか、ニオイ、とかの意味もあるんだ。聴く人が聴いたら音からクサイ様な匂いを放っている音楽がFUNKなんだ。なんて言うのかな・・・こう、FUNKのリズムに合わせて体の毛穴という毛穴から、緑色の血液がドロドロと流れ出る様な音楽がFUNKなんだ・・・」

言わんとしている事は、【唯一無二の存在感】【自分自身である】ということかな?と当時の僕は理解しました。

ブログの中で『真の意味でのオリジナリティはない』という話を先日書きましたが、僕は【オリジナル】とは、いかに『自分自身でいるか』という事だと思っています。

若い頃、何者かになりたくて奇抜なファッションをしたり、好きな音楽にのめり込んで自分を探そうとしたり、一人きりで旅に出かけて自分を見つめたりしても、なかなか『自分自身』なんて見つかりません。

でも、40歳になって金澤流麺らーめん南としてらーめんを作り続ける中で、やっと『僕にしか発想し得ないらーめん』というものが生まれつつあることを実感しています。

それはムキになってそのらーめんの個性を説明しなくても、「あぁ、南さんらしいね」と食べだけで伝わっていくものだと思っています。

「俺はここにいるぞ!」と激しく主張などしなくても、そこにいるだけで存在感を放つ、匂いを放つ、それこそがオリジナルであり、ロックンロールであり、若き日に従兄弟のお兄ちゃんが教えてくれたFUNKの意味なのかな?なんて思います。

12/1から、やっと本当にリリースしてかった新作のらーめん【EL★CORAZON】を発表する事が出来ました。

このらーめんは、本来なら開店の4月から使いたかった金沢大地の薄口醤油を使って作っています。

その薄口醤油が有機栽培故の生産量に限りがあるという理由で、通年通して入荷が無理だとわかり、開店時での使用を見合わせたという経緯のある醤油です。

やっと秋口に入る様になり、試作を重ねてやっと12月に発表する事が出来ました。

ですから、また夏前になると一度メニューから外さなくてはならなくなります。

僕は最初はこのEL★CORAZONは12〜1月のみの期間限定らーめんで出そうと考えていました。

4月の開店からずっと1番メインの定番らーめんの【淡麗金澤醤油らーめん】がありましたから、この【淡麗】はこれからも常に出し続け、EL★CORAZONはあくまでも冬の風物詩的ならーめんとして毎年やろうかと考えていました。

そこでひとつ予期せぬ事が起きました。

前回のブログで書いた様に塩らーめん【海の向こうの彼女はジャポネーゼ麺】があまりに好評でレギュラー化すると決めた事でした。

そこでこのEL★CORAZONと淡麗と【濃醇金澤醤油らーめん】と併せて出すと、常時4種類のらーめんを並べることになります。

さすがに醤油らーめんが3種類は多いな。

そして、せっかく薄口醤油と生姜の香りを効かせたスッキリしたらーめんをリリースするのに、そこに【淡麗】まであるとお客様は迷うな、と考えて、これまで1番メインの定番らーめんの【淡麗】をメニューから外すことにしました。

これには自家製麺のぼるののぼるさんはかなり驚いてました。

「え?!ほんとに?!それってうちで言えば【京らーめん】を下げるとこでしょ?!」と。

でも僕は迷いはありませんでした。

もしそれでも「今まで通りの淡麗が食べたい」という常連の方がいらっしゃったら、その人だけ特別に出しても構わない、くらいに思っていました。

ところが、EL★CORAZONは【淡麗】を好んで食べてくれてたお客様にも支持され、これまでになかったリアクションをもらえまして。

この瞬間、金澤流麺らーめん南は進化したのです。

進化していくために変化は必要です。

そして昨日までの自分をどんどんと更新していきます。

この進化と変化を繰り返して、歴史と文化を築いていくことこそ、金澤流麺らーめん南の使命です。

ですから、【淡麗金澤醤油らーめん】は完全に封印します!

EL★CORAZONが出せない期間が来たら、また新しいらーめんを開発します!

そしてまた薄口醤油が使える様になれば、また解禁します!

もしかするとその頃にはまた何か思いついて、新しい事を始めるかも知れませんが・・・。

これからもどんどん進化と変化をくり返します!

金澤流麺らーめん南は、瞬き禁止です!

今を焼き付けていきたいと思います。

その【今】の繰り返しが未来に届き、さらにオリジナリティが身に付いていきますように・・・。

あなたが明日も優しくありますように。

あなたが明日もあなたらしくありますように。

LOVE & BEER!

そして

RAMEN & ROLL!!

金澤流麺物語 第224回

えっと、前回のブログで『らーめんの着地点と、そこらからのジャンプ、そして予想外の着地点』ということを今回書きますよ、と宣言してましたが、今日はその話への橋渡しになる様な話を書きたいと思います。
こんばんは。

金澤流麺らーめん南の南大祐です。

以前2chでこのブログの事を「頭の痛くなるポエム」「肝心のらーめん情報はほとんど得られず」と書かれていたそうです。

そう書いてくれた方がもし今回のブログを読んでくれていたら「あ!それオレオレ!」ってなってますよね、今きっと。

そこまでしてこのブログを読んでくださってありがとうございます!

今日も頭の痛くなるポエムを書き綴っていくのでよろしくお願いします(実は【頭の痛くなるポエム】って響き、気に入ってます。命名してくださってありがとうございます!)

20年くらい前だと思うのですが、多分小説家の町田康だったかなぁ?

それとも僕の好きなミュージシャンの誰かかなぁ?

記憶は曖昧なんですが、こんな言葉をとあるインタビューで読んだことがあります。

「真の意味でのオリジナリティなんて存在しない」

当時19歳か20歳だった僕は、とにかく自分自身を1番表現できる方法を見つけて、その方法で飯を食って生きていきたい!と足掻いている時期でした。

足掻いてはみるものの、何をしていいのか見つからずにモンモンとしていた時期でした。

チョロっとパンクバンドをしてみたり、チョロっと文章を書いて雑誌の新人賞に応募しては安っぽ〜い挫折に浸ったりしていた時期でした。

「俺、このままくすぶったまま若さを食いつぶしてしまうのかなぁ」と不安で一杯だったそんな時期に読んだインタビューでした。

それはもう、絶望感一杯になっちゃって、「今自分自身を見つけられずにもがいてるのに、真の意味でのオリジナリティなんてないなんて言われたら、そんなんもうやる気なくすやん!」と絶望感もかなり安っぽ〜いものでしたが・・・。

その後、石川県で散々人に迷惑をかけた挙句に逃げ出して、親友のモトイを頼って湘南に転がり込んで、横浜のらーめん屋にねじ込んでもらって、そこから僕の人生は大きく音を立てて回り始めるのはこのブログをずっと読んでくださっている皆様はすでにご存知だと思います。

そう、頭の痛くなるポエムの連続です。

それからこじらせにこじらせ、ぐるっと一周回って自己破産というお荷物まで背負って再び石川県の地に立ちました。

あれから20年。

今ならなんとなく「真の意味でのオリジナリティなんて存在しない」の意味がわかるような気がしてきました。

その事を書く前に、この動画をご覧ください。
カマシ・ワシントン動画
僕の大好きなジャズサックスプレイヤー【カマシ・ワシントン】の来日時のトレイラー映像です。
カッコいいですよね!!

皆さんはジャズはお好きですか?

僕は大して詳しくはありませんが大好きです!

皆さんはジャズにどんなイメージを持たれてますか?

僕は本格的にジャズを好きになる前はこんなイメージを持っていました。

「ちょっと敷居が高い。何を演奏しているのかよくわからない。なんだか頭良くないと聴けなさそう。大人の音楽。ホテルのラウンジやバーでのBGM。気取ってドレスアップしたカップルがショートカクテルを飲みながら聴くライブ」

こんな所でしょうか。

それがいつからかなぁ?

バドパウエルの演奏の合間に漏れ聞こえる呻き声を聞いた時なのか、アートブレイキーのドラムセットが壊れるんじゃないかというドラムソロを聞いた時なのか、それともスピード感溢れるソニークラークのバッキングのピアノを聞いた時なのか。

きっと違いますね、ジャックケルアックの小説『路上』でジャズのライブを観に行くディーンモリアーティがジャズプレイヤーのソロ演奏に「GO!GO!GO!」と叫びながらライブに熱狂するシーンを読んでからですね。

ジャズというのは、叫びであり、ストリートカルチャーであり、存在証明であり、熱い血潮がドクンドクンと流れる音楽なんだ!と認識が変わったのでした。

それからジャズを聴くたびにそれまで夢中になって聴いていたTHE CLASHやボブマーリーやビースティボーイズなんかと同じくらいに興奮しながら聴くようになったんですね。

そしてこの映像のカマシ・ワシントン。

そんな熱が伝わってくると思いませんか?

そもそも楽器演奏者でない僕は音楽を理論的に説明することはできませんが、音楽はおとの震えで感情や世界観を説明する究極の芸術だと思っています。

だから感情的に説明したいと思います。

カマシ・ワシントン。

この人のアルバムや楽曲を聴くと、どこまでもジャズなのに、ジャズ以外の音楽ファンでも聴けそうな気がしてきます。

スピリチュアルな世界観を見せたり、ソウルミュージックの様なグルーヴを感じさせたり、爆発間のある各楽器のソロパートがあったりと、バラエティ豊かなのに1つの宇宙を表現しているかの様な気持ちが湧いてきます。

けっして新しい事を、誰もやらなかった事をやってるわけじゃないと思うんです。

どこかしこに、様々な音楽のルーツを感じさせるんです。

でも出てくる音は、どこまでもカマシ・ワシントン、その人なんだと思います。
で、何が言いたいかと言うと、僕のらーめんもそういう立ち位置に立っているのではないか?と感じたのです。

前回のブログでも書きましたが、そらみちの三人は本当にらーめんの事が大好きです。

その純粋さは本当に心を打たれますし、時々自分が恥ずかしくなるくらいです(笑)

日本中のらーめん屋にお邪魔して、自分から挨拶をして、頭を下げて教えを請う姿は本当に尊敬します。

そしてそれを吸収して、また自分のらーめんとしてアウトプットしていきます。

では僕はどうなのか?

もちろんらーめんの事が大好きです。

しかし、僕のらーめんは、らーめん以外の要素もたくさん入っています。

その要素とは・・・。

次回に続きます!

金澤流麺物語 第223回

ちょっと今日もらーめんへの考え方の変化など、最近考えたことを書いていきます。ほとんど独り言なので、興味のない方は即Uターンでお願いします。

金澤流麺らーめん南の南大祐です。

40代の男なんて傲慢なくらいでちょうどいいと考えてます。

丸くなるにはまだ早いでしょ。

前回のブログで気まぐれらーめんへの考え方が変わった話を書きました。

そしてその中でこんならーめんをリリースしました。


【ノビジェイロの恍惚と不安麺】です。

ブログ第220回に詳しく書いているので、まだ未読の方は参照をお願いします。

このらーめんは第220回でも書いた通りに、僕が石川県で実質的にNo.1だと思っている金沢市玉鉾の【自家製麺のぼる】さんの名作『シャモ&コーチン』へのアンサーらーめんとして開発しました。

『シャモ&コーチン』が僕のらーめんから気付きを得た、と言ってくれていたので、それにそらにアンサーを被せるなんておかしいのかも知れませんが、このエピソードは本当に嬉しかったし、ますますのぼるさんを尊敬する様になりました。

僕がフェイスブックやブログで「のぼるさんの『シャモ&コーチン』へのアンサーらーめんです」と発言していたからなのか、それまでの気まぐれらーめんとは群を抜いた反応の良さでした。

開店1時間で用意していた全てが売り切れるなんて、僕も想像もしていませんでした。

どんならーめんかというと、一度完成させたスープにさらに牛肉と牛スジを加えて、牛の風味をより強くしたスープを作りました。

そしていつもスープに浮かべている脂にはネギの香りをつけていますが、今回は香りは敢えてつけませんでした。

『牛感』を目いっぱい感じて欲しかったからです。

そしてタレです。

金澤流麺らーめん南はタレにかなり重きを置いています。

タレを複雑に味を重ねて作り上げることで、らーめんの表情を右へ左へと変化させます。

しかし今回はシンプルかつストレートに牛のスープを楽しんでもらうために、タレは金沢大地の濃口と薄口のブレンドに昆布のみで旨味を足したシンプルなタレにしました(実際このタレを普段のらーめんのスープで割って飲むと、全く物足りない味になりました。ちなみに、いつも【濃醇金澤醤油らーめん】で使用しているタレ(金沢大地の濃口醤油岡山県産の牡蠣煮干しを大量に加えた旨味の強い味)を、この気まぐれらーめん【ノビジェイロの恍惚と不安麺】のスープで割ると、旨味と旨味がケンカをしていったい何の味なのかさっぱりわからないtoo muchならーめんになり、全く美味しくありませんでした。らーめんって本当に面白いですね)。

スープを確立させて、タレはあくまでもシンプル。

これは一つのらーめんの理想のスタイルだと思います。

のぼるさんと同じく仲良くさせていただいている金沢市窪の【そらみち】さんは、目指す理想の味への追求と探究はものすごい物があります。

そらみちさんは、地鶏と水だけで煮出した極めて純粋で究極のシンプルさを追求したスープに、生揚げ醤油のみのシンプルなタレを合わせて究極の旨味を目指す、という『究極の引き算』を目指しています。

その追求への想いは半端ではなく、回りが「いやコレ、美味しいよ」と言っても「まだ納得出来ないんです」とさらに研究を重ねます。

僕は開業前に牛メインのスープで強い旨味が出なかったため、タレに重きをおく様にし、結果11月一杯まで金澤流麺らーめん南のメインの定番らーめんとして一番たくさん皆様に召し上がってもらった【淡麗金澤醤油らーめん】が生まれました。

「スープがダメならタレに力を入れよう」

というよく言えば柔軟、悪く言えばこだわりのなさ、それが僕の性質としてあります。

そらみちのオーナーの青山くんは元ボクサー。

ボクシングは格闘技の中でもとてもストイックなスポーツです。

ボクシングは腕でしか攻撃は認められていません。

そして攻撃を出来る箇所も上半身のみ、と限定された謂わばかなり特殊な格闘技です。

だからこそ、パンチとパンチへのディフェンスが異様に発達したスポーツです。

そらみちさんのスタイルは、まさにボクシング。

青山くん、神田くん、さーしちゃんの目指す高みは本当に純粋なのです。

僕は【ノビジェイロの恍惚と不安麺】を完成させた時、「本当に作りたかったのは、こういうらーめんなんじゃないのか?」という想いに駆られました。

そらみちさんの様にソリッドなまでに純粋ではありませんが、どこまでも牛の強さを追求しようとしたらーめん。

金澤流麺らーめん南の今までのらーめんの中で、1番ストレートでシンプルでストロングならーめんでした。

もし僕にそらみちさんの様なストイックさがあれば、開店からこの8ヶ月間は【ノビジェイロの恍惚と不安麺】の様な方向へと進んでぬいたのではないか?!と、ちょっとだけ自分のいい加減な性質を悩みました。

でも、ちょっとだけでした(笑)

【ノビジェイロの恍惚と不安麺】を作った事に寄って、親愛なるのぼるさんとそらみちさんの素晴らしい個性がハッキリとわかり、そして、じぶんの持ち味もわかってきました。

のぼるさんの持ち味はバランス感覚。

そらみちさんの持ち味は純粋なストイックさ。

僕は、まさに【カオス】。

なんでもあり、です。

自分でも意図しない所に着地して、その着地点からジャンプしてみたら、またよく分からない所に着地して、気付いたら予想もしていなかった場所にいた、というのが僕のらーめんと人生なんだなぁ、と。

京都で生まれ、ラグビーやらロックやら文学やら手当たり次第にやり散らかし、気付いたら金沢から湘南にたどり着き、横浜で修行を始め、アレヨアレヨと言う間に自分の店を持ち、なんやかんやしてるうちに大行列店になったと思ったら自己破産してまた石川県にいた、みたいなマンガみたいな人生とらーめん。

そのカオスさが僕なんだろうなぁ、とアホみたいに思ったわけです。

南大祐発アホ経由カオス着、みたいな。

12月からの新作【真★淡麗金澤醤油らーめん EL★CORAZON(エル★コラソン)】かなり好評です。

そして好評過ぎて、また自分の思わない所に着地しました。


次回はその新しい着地点について書きたいと思います。

なんからーめん屋さんのブログっぽい?

ぽくないですよね。

こんな話。

明日もあなたが優しくあります様に。

明日もあなたがあなたらしくあります様に。

LOVE & BEER!

そして

RAMEN & ROLL!!

金澤流麺物語 第222回

以前までの僕はその日限定の気まぐれらーめんというスタイルには否定的でした。その日限定となると、本当にうちの事が好きなお客様が「たまたまその日は来れなくて食べれなかった」とか、またはたまたまSNSを見て大してうちの事が好きでもないのに「情報の一つとして食べに来てみた」と方ばかりが集まって本当に食べたい方が食べれない、など起こり得るのではないかと、どこかお客様に対してアンフェアな気持ちを抱いていたからでした。

「大衆食であるらーめんはあらゆるお客様に門を開き、常に安定の品質で、いつ来ても変わらず楽しめるものであるべき」

という考えを持っていました。

ではなぜ最近気まぐれらーめんを連発する様になったのか?

それは僕の考え方が大きく変わったからです。

例えば、「らーめんは大衆食である」という考え方。

もちろん大衆食であることには変わりはないのですが、僕が「らーめんは大衆食」と決めつける必要はないなぁ、と思うのです。

¥1000出せばお釣りのくる大衆食である一方、¥3800出しても「安いな」と思わせる高級で豪華ならーめんがあってもいいですよね。

「らーめんは大衆食」とみずから言葉にして発してしまうと、自分の潜在意識に「大衆食の枠からはみ出てはいけない」と刷り込んでしまうのではないか?と思ったのです。

だから、「気まぐれらーめんはお客様に対してアンフェアである」と僕が考えると、僕が僕自身に「お客様にフェアでなければならない。フェアであるためには気まぐれらーめんなんてもってのほかだ!」と自分の潜在意識に刷り込んでるんだな、と気付いたのです。

今まで僕は期間限定らーめんを出すときは、何度も何度も作り直して、1日に何十食も作れるようになってから発表していました。

それはそれでいいと思うのですが、僕も料理に携わる人間の端くれです。

思いつきやインスピレーションが湧いて作りたくなったらーめんがたくさんあります。

それを「これをリリースする事はアンフェアだ」なんて考えで閉じ込めておいては、自分自身の成長すら閉じ込める事になるな、なんて思ったのです。

そこでひょんなキッカケから思いついた「塩らーめんにタプナード入れたら美味しいんちゃうかな?」というアイデアを即実行して、そしてSNS ですぐに発信しました。

そしてお客様から素晴らしい反応をいただき、用意した10食は全て完売しました。


それが気まぐれらーめんの第一号【プロヴァンスの風に吹かれて麺】でした。

その時のお客様の笑顔笑顔笑顔・・・。

あぁ、こういう希少性のあるらーめんを食べたいお客様の権利を奪う事なんて出来ないし、そしてこうしたチャレンジを続ける事で生まれる自分の成長を止める権利なんてないし、俺は頭が固かったな・・・と思うに至りました。

その時に自分の中にあったなんらかのバリアみたいな物が解き放たれた感覚になりました。

気まぐれらーめんを作る事でたくさんの経験ができるし、レギュラーメニュー以外の感想をもらうことができる。

それをレギュラーメニューに活かしていけば、普段のらーめんのレベルも上がっていく。

そうすれば、気まぐれらーめんには興味のないお客様にも、味のグレードを上げて還元する事ができる・・・。

良いことしかないな!と考えるようになりました。

何より、自分が楽しいし、新しいらーめんを作る事は幸せだし!

今取り組んでいるのは金澤流麺らーめん南初の、白濁した濃厚バージョンの牛スープらーめんです。

全く新しい作り方の、全く新しい濃厚白濁スープになると思います!
今からお客様のリアクションが楽しみです。

あなたが明日も優しくありますように。
あなたが明日もあなたらしくありますように。

LOVE & BEER!

そして

RAMEN & ROLL!!