金澤利益麺物語 第20回

ラグビーのワールドカップ、
イングランド大会が始まった。
本当に楽しみにしていたし、
日本代表の試合はもちろん、
時間の許す限りたくさんの試合を
テレビで観戦するつもりだ。

今朝は朝の3:30に目覚ましをかけ、
3:45から放送があった開幕戦

『イングランドvsフィジー』

を観てから仕事へ出勤した。

やっぱラグビーはいい！

ラグビーを始めた中学一年生の時に
こんな言葉を教わった事がある。

『ラグビーは少年をいち早く大人にし、
大人の男をいつまでも少年でいさせる』

素晴らしい言葉だと思う。
ラグビーはレギュラー選手が15人も
必要なスポーツだ。
その15人が分担するポジションは本当に
個性豊かで役割がくっきりと違う。

体の大きい人、小さい人。
背の高い人、低い人。
体重の重い人、軽い人。
足が速い人、遅い人。
すばしっこい人、どんくさい（？）人。
etcetc・・・。

どんな個性の人にでも、
適したポジションがあり、
努力次第では一流になる
チャンスが誰にでもある。

どんなとんでもない身体能力のある人でも、
一人では全く勝てないのがラグビーだ。

自分の責任を自覚して、チームのための
あくなき自己犠牲の精神が問われる。
全てはチームのために・・・
少年は責任を覚えて大人の男になる。

いくつになっても妥協も許さず、
闘争心は消えない。
相手にも、自分にも打ち勝つ心。
男をいつまでも少年でいさせる。

僕の人間形成の基礎はラグビーで
作られたと思っている。
もちろんラグビーを始める以前に
お世話になった方々や両親の力は大きい。

それでも気弱で弱虫だった僕は
ラグビーによって鍛えられた部分が
大きいと思っている。

今朝、どなたか解らない方から
facebookに友人申請が届いた。
名前を見ても写真を見ても
誰か解らなかった。
メッセージのない知らない方からの申請は
お断りしているのだが、よくよくみると
どこかで会った事のある
人の様な気がしてきた。

その方の共通の友人に僕の中学～高校の
ラグビー部の後輩がいた。

・・・え？
もしかして、先生？

その方は僕が中学三年生に上がる時に
新人教師として赴任されてきたH先生だった。

当時H先生は23歳くらい
だったのではないだろうか？

先生は空手で鍛えた体が逞しい、
若く爽やかな先生だった。
ラグビーは未経験だったが、ラグビー部の
副顧問の様な形で毎日一緒に練習をしてくれた。

どの先生よりも若くて親しみやすかったから、
僕たちはまるで親戚のお兄ちゃんみたいに
懐いていた。

先生は何でも親身になってくれたし、
少し怖くて緊張感のある顧問の先生には
出来ないようななれなれしい態度も取って
しまったりしていた。（先生、すいません）

僕に何かあったら家まできてくれたり
する先生で、本当に大好きな先生だった。
今思えば、若かった当時の先生は、僕たちと
接する事で自分の中の『教師像』を
模索していたのかも知れない。
ちょうど僕が引越屋やらーめんの修業先での
日々でぶつかりながらも学ばさせて
いただいていた様に。

先生という職業は切ない、
と勝手に思っている。
どれだけ心配して手をかけた生徒でも、
一定の期間が経てばいつかは別れが来る。
そして様々な事情でまるで関わりにならない
時間が訪れる。

僕は高校を卒業してから一度も
ラグビーをしていない。
引越屋もラーメン屋もとてもじゃないが
日曜日に休む事なんて出来ないので、
クラブチームに参加するなんて
出来なかったのだ。
観てるだけではもどかしい。
でもプレーするのは難しい。
半端にラグビーに触れる事しか
出来ないのなら、シャットアウト
した方がましだ、という思いから
ラグビーに全く関わらなくなった。

しかし不思議なものだ。
僕がらーめん屋として
K県で頑張っていると噂を
聞きつけた仲間たち、先輩、
後輩たちがわざわざ店まで徐々に
足を運んでくれるようになったのだ。

20年ぶりの再会、なんてのが頻繁に
行われる様になった。
全ては『ラグビー』の名のもとに
集まってくるのだ。

ラグビーの絆の深さを感じさせるし、
僕は20年以上グラウンドから離れていたって、

『ラガーマン』

なのだ。

そして先生と再会した。
先生にはらーめん屋の大将としての僕を
見てもらう事は叶わなかった。

だから金沢で新しく、そしてもっともっと
美味しいらーめんを作れるようになって
胸を張って会いたいと思う。

写真は僕の高校時代の写真です。

さすがに若くて幼いですね。
そして細い（笑）

またラグビーやりたいな・・・。

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高校集合写真