金澤流麺物語

金澤流麺らーめん南の店長南大祐の独白ブログです。こちらは営業内容やらーめんそのものとは関係のない日常的な話や、店長の趣味格好などを書いていくブログです。

金澤流麺物語 第157回

4/29(金)と4/30(土)に連休を貰った。

4/30(土)、午前中に京都知七の畑に行き、社長の重君の熱い話を聞いて充実した気持ちで僕は次の目的地に向かった。

それは一人の友人に会いにいくためだった。

名前はライリー。

アメリカ人だ。

ライリーとは湘南で出会った。ライリーは僕の知っているアメリカ人とは少し雰囲気が違っていた。

静かな眼差しは常に思慮深い色を湛え、言葉数は少なく人見知りそうに気を使いながら話した。

ライリーは日本の事が大好きで、日本の友達が大好きで、日本語もとても上手だった。

僕のそれまでに出会っていたアメリカ人の多くは、とてもマイペースで自己主張の強い人が多かった。

そうした僕の知っているアメリカ人に比べて、ライリーはとても『日本人的』に感じた。

彼は一時帰国した時、「なぜ僕はアメリカにいるんだろう?僕のいる場所は日本なんじゃないだろうか?」と日本語でツイートするくらいだから、彼の日本好きは筋金入りだ。

そんなライリーの事を、湘南の仲間たちは『アメリカ人』とは扱わず、普通に『弟みたいにカワイイ存在』として仲良くしていた。

しかし一時帰国していたライリーは、日本に戻ってくる際に大好きな湘南ではなく東京を選んだ。

しかし、いつの間にやら京都の久美浜に引っ越していた。

久美浜

僕はその地名を知らなかった。

調べてみると兵庫県豊岡市に近く、京都の北西の端っこの地域だった。

なんでまた?こんな所に?

せっかく不定休の店を休んでまで京都に来たんだ。ライリーの顔を見てから金沢へ帰ろう。そう思い、京都知七の見学を終えて僕は久美浜に向かった。

京都市からほぼ三時間のドライブ。

三時間あれば高速道路で金沢まで帰ってこれる距離だ。

そこは僕の知っている京都ではなかった。

川や湾は穏やかで静かな水面を湛え、低い山々は深い緑のコントラストを見せながら久美浜という地域を包んでいた。

優しい風景の中で暮らす人はみな穏やかだった。

「あら?ライリーのお友達?ありがとうね」

と声を掛けてくれた女性は、ライリーが居候させてもらっている友人の叔母にあたる方だそうだ。

小さな地域に親族みんなで暮らして支えあっている。

穏やかだが確かな人の暮らしがそこにはあった。


カメラを向けると緊張して固まるライリー。

本当に不思議な男だ。

ライリーはネット上でウェブ制作の受注をとり、ホームページなどを作る仕事をしているので、住む場所にはこだわらないという。

このまま久美浜で暮らすのか、あるいは京都市に拠点を移すのか、愛する湘南に戻るのか、まだ何も決めてないという。

だが今は久美浜での暮らしが気に入っているみたいだった。

言葉数の多くないライリーはずっと僕の話を静かに聞いていた。

僕は車だったからお酒と飲めず、たった二時間だったがライリーとの静かな会話の時間を楽しんだ。

こうして湘南で出会った仲間と、お互いに住む地域を変わって再会するなんて、本当に絆っていうのはありがたい。

湘南に暮らしていた頃は、こんな風に友達との時間を味わう事なんで出来なかった。

ライリーに僕は自分の夢をたくさん語った。

ライリーはそれをキラキラとした瞳で聞いてくれていた。

ライリーは大きな夢を語るような事はしないが、何か心に宿す思いがあるのだろう。

今度は金沢で再会をする約束をした。

その時にまたゆっくり語り合おう。


肩をいからせてパスタをまるでらーめんをすするみたいにズババ!と音を立て立てて食べるライリー。

「ライリー、お前〜、そんな食べ方してたら女の子にもてへんぞ〜」

とからかいながらフォークのスマートな使い方を見せてあげた。

ライリーは照れ笑いしながら、また皿に顔を突っ込んでズビ!ズババ!と音を立ててパスタをかっこんだ。

そんな不器用な姿が本当に可愛い。

会計の時に僕がレジの女の子に「こいつね、アメリカ人やのにめっちゃシャイなんですわ。可愛いがってやってくださいね」とお願いをしたら、ライリーは顔を恥ずかしそうにうつ向けて苦笑いして、自らは女の子に声をかけはしなかった。

そんな不器用だけど誠実な優しいライリー。

また会おうな。

心温まる休日をありがとうな。

さ!頑張るかー!!