金澤流麺物語

金澤流麺らーめん南の店長南大祐の独白ブログです。こちらは営業内容やらーめんそのものとは関係のない日常的な話や、店長の趣味格好などを書いていくブログです。

金澤流麺物語 第99回

僕は南部さんと話せて応援の
言葉をもらえただけで嬉しかった。
そしてあの場で僕を盛りたててくれた
タカベェの気転と勢いと友情が嬉しかった。

何より最高の酒になったから
とても幸せな気分だった。

「何かあったらなんでも
相談してきなさい」

南部さんはそうは言ってくれたが、
僕ごときがそうそう相談していい
お方ではない。

なにせ彼の方はすでに何十年も実績があり、
若い凄腕の美容師を多数輩出している
石川県屈指の経営者なのだ。

方や僕は?

自己破産したばっかしで、
親友の剛の力を借りて
やっとの再スタートを切ろうと
している言わば、
虫けら同然だ。
(このブログを始めた頃は
本気でそう思っていました。)

だがせっかくいただいた南部さんとの
ご縁をここで切りたくないという
思いもあった。

よし、じゃぁこれから散髪は
ナンブヘアでお世話になろう!

・・・・とは言ったものの、
しつこい様だが僕は自己破産者だ。
すでに社会に迷惑をかけている。
そしてすぐに働き始めて家族の生活を
支えなくてはいけない。

髪型なんぞにお金をかけてもいいもの
なのだろうか?
それは自分自身に対しての
後ろめたさでもあった。

自己破産者は自己破産者らしく
大人しく日陰で暮らすべきなのでは
ないだろうか?

現に僕はバリカンを用意して
自分で丸坊主にするつもりだったのだ。

この迷った気持ちをそのまま
剛に相談する事にした。

「うん、南が金がないから丸坊主
して節約するってんなら、
それはそれでいいと思うよ。
でもせっかくのご縁なんだし、
自分への投資って考えてその
美容室に通うのもありだとは思うよ」

剛と話していて
「こいつ、ほんま凄いな」
と思うのは、剛は常に話の聞き手に周り、
話している相手の話も遮らなければ、
話に被せて意見を言う事もなければ、
相手の意見を真っ向から否定する事もしない。

相手の意見を肯定した上で
もう一つの選択肢を示し、
相手に選択肢を増やして選ばせる。

同世代でこの様な話し方が出来る男を、
剛以外で見たことがない。

僕は剛の意見がストンと腹に落ちた。

「せやな。南部さんに切ってもらう事は
ないとは思うけど、これからナンブヘアに
お世話になろかな。
ほんで要所要所南部さんに報告していこうかな」

「うん、それがいいと思うよ」

こうした経緯で僕は一番家に近い
『Nunbu-WEST』
に通う事になる。

この店で僕は南部さんへの
尊敬をさらに深める事になる。

以下、次回に続く。

*写真はNanbu-WESTの外観です。
とても素敵なお店です。