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金澤流麺物語

金澤流麺らーめん南の店長南大祐の独白ブログです。こちらは営業内容やらーめんそのものとは関係のない日常的な話や、店長の趣味格好などを書いていくブログです。

金澤流麺物語 第73回

若い頃、ほんのちょびっとだけ
カール・マルクス資本論
かじった事がある。

結局僕には難しすぎて
途中で放り出してしまったが、
こんな事が書かれていた気がする
(あくまでも『気がする』だけです)

人は一日を8時間労働に使い、
8時間を自分の為に使い、
8時間は次の仕事の為に休む必要がある。

みたいな。
違ったかな?

8時間を睡眠やシャワーや身だしなみを
整える時間につかえて、
8時間を食事や趣味の時間に使えて、
8時間だけ働けばいいなんて、
どこまで優雅な生活やねん、
と思ってしまうけど、
これは理想論だとしても
人は休息と趣味に費やす時間は
必要だと思う。
趣味は心を豊かにする。
夢中になれる趣味がなかったとしても、
何か安心できる物と触れる時間が
人間には必要だと思う。

言うなれば、
人はみなライナスの毛布が必要だ。

スヌーピーに登場するライナスは、
いつも指をくわえて毛布を
持っている。
毛布がないと不安で不安で仕方がない。
誰だって子供の頃、
ライナスの毛布を持っていたと思う。

大人になると公然と毛布に甘える
自分なんて表現出来なくなる。

でも、例えば僕だったら、
ラグビーしたいなぁ、とか
バンドしたいなぁ、とか
007観に来たいなぁ、とか
それだけでも自分の心のどこかが
楽しくなって安心できる。

家族と次の休みにどこへ行こう?
なんて最高だと思う(いないけど)。

仕事仕事で趣味なんてなくしちゃったよ、
なんて人生は僕は寂しすぎる。

でもそんな寂しい時間を12年も過ごしてきた。
憂さ晴らしは酒を飲むくらいの
毎日にはもう戻りたくはない。

海辺の町で店長をしていた頃、
年に一人は「この子とずっと
働けたらな」と思う様な
出会いが必ずあった。

僕がそう思う相手も僕やらーめんに
興味を持ってくれて、
「俺、らーめん屋になります!」
とか言ってくれる人も多数いた。

しかし半年もするとその感情は
どんどん薄れていった。
その理由は簡単だった。

あまりにも僕が大変そうだったからだ。

「俺じゃ無理っす。大さんの真似は
出来ません」

皆がそう口を揃えて辞めていった。

僕はその台詞を言われる度に
こう言っていた。

「今の俺だけを見ないでくれ。
俺は今土台を作っている段階だから、
俺が大変なのは当たり前だ。
だがみんなが社員として入ってくれたら
俺と同じような仕事はさせないし、
会社も売り上げを伸ばせば雇用条件も
良くしてくれるはずだ」
と。

「でも、大さん、すいません。
もう決めた事なんです。
俺、今の彼女と結婚もしたいし、
家庭も築きたいです。
言いにくいですけど、大さんの
仕事内容を見てると・・・
俺、自信無くって・・・」

僕は何も返す言葉がなかった。

以下、次回に続く。

*写真は当時のパートさん達と
賄いご飯を食べている時の1コマ。
みんな本当によく店を支えてくれました。
今でも連絡を取り合います。
感謝しかありません。