金澤流麺物語

金澤流麺らーめん南の店長南大祐の独白ブログです。こちらは営業内容やらーめんそのものとは関係のない日常的な話や、店長の趣味格好などを書いていくブログです。

金澤流麺物語 第216回

こんばんわ!
今夜も気まぐれらーめんやります!
と言ってもこのブログを読んですぐさま駆けつける!なんてお客様はいらっしゃらないでしょうから、「へー、そんなことやってんだぁ」くらいで読んでくれたら嬉しいです。

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今回の気まぐれらーめんは【グランマの思いで麺】です!
塩ラーメンをベースにニンニク&パプリカオイルを浮かべて、その上にトリッパ(ハチノス。牛の二番目の胃袋)のトマト煮込み、ハーブ類、チーズが載ります!
先日の【ガリシアへの祈りの道は希望の光麺】に引き続きチャーシューもネギも入っていない意欲作です!

イメージとしては、ローマで暮らすヤンチャ坊主のアントニオが散々外で遊んで腹ペコで家に帰ってきたら、大好きなおばあちゃんの得意料理『トリッパのトマト煮込み』の香りがふわ~っと漂ってきて、手も洗わずに食卓に座って食べようとすると父と母に怒られてしまいます。でもめげないアントニオがペロっと舌を出す仕草を見て、おばあちゃんが優しい眼差しでクスクスと笑います。

そんならーめんです!!

どんならーめんやねん!!

ども。選ぶ職業を間違えたんちゃうか、とか最近心にもないことを言われている金澤流麺らーめん南の南大祐です。
僕、ラーメン屋ですから!列記としたラーメン屋ですから!!

先日、仲よくさせていただいている皆様を集めて12月からリリース予定の新作らーめんの試食会を行いました!
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奇をてらった様ならーめんを出し続けているらーめん南ですが、今回はシンプルな一品を仕上げてみました。
その名は【EL★CRAZON】(エル・コラソン)!!
名前もいつも長い文章の様なものが多いですが、今回はシンプルに『エル・コラソン』です!
スペイン語で『ザ・魂』という意味です!
シンプルなだけに想いを込めたタイトルです!
きっとこのらーめんは塩らーめん『海の向こうの彼女はジャポネーゼ麺』と並んで金澤流麺らーめん南の代表作になります!

というのもなぜかというと、今回のらーめんには金沢大地さんの薄口醤油を使用しています。
本来でしたら、僕はこの薄口醤油をメインで使うレシピを考えていました。
そのレシピは完成間近で、僕はその味に自信も持っていました。
しかし今年四月のグランドオープンをあと二週間に控えたある日、金澤大地さんの営業担当大橋さんと取引の話を進めていく中でこの薄口醤油は夏の間の何か月間は欠品が出るという事がわかりました。
有機栽培ゆえの生産量に限界があるためです。
開店をあと二週間に控えた段階でまたゼロから味を作りなおす事になったのです。
「大丈夫でしょうか?」
と心配そうな大橋さん。
でも僕は断言しました。
「問題ありません。今からあと二週間で濃口醤油のみの味を仕上げます。秋以降に薄口醤油が入れば、その時に今度は薄口醬油のみを使ったスペシャルならーめんを作ります!」
と大橋さんに宣言。
大橋さんが素敵な女性だったから無駄に張り切った、という部分もあったのかも知れません。

そして完成したのが今までずっと定番のらーめんとして皆様に召し上がっていただいている『淡麗金澤醤油らーめん』と『濃醇金澤醤油らーめん』です。
そしてついに薄口醤油が入ってきました!
その味わいは儚いような透明感と、その透明感に反比例するかの様なふくよかな旨味。強すぎない塩気。素晴らしい醤油です!

濃口とは違った乾物で旨味を加え、醤油の透明感を活かしたタレを作り上げました。
そして今回のエル★コラソンの特徴は、なんといっても香りです。
牛脂にたっぷりと生姜の香りを付けました。
今までの淡麗よりもよりシャープな味わいと、魂の奥から温める様ならーめんが完成しました。
ずっと使いたかった醤油。
その醤油の特徴を僕なりに最大限に引き出してみました。
そしてこれから寒くなる北陸の冬を生き抜く皆様の魂から温める様ならーめん・・・・。

まさにEL★CRAZON(エル・コラソン)です!
なぜスペイン語なのかは突っ込まないでください!
ほんの思い付きですから!

早く皆様にお届けしたいです。

12月からの発売です。
終了予定はひとまず考えてませんが、薄口醬油が入らなくなるとどうしても作れなくなります。
皆様に届きますように。
どうぞよろしくお願いいたします。

試食会に参加してたくさんの意見や熱い議論を交わしてくれた

そらみち(金沢市窪のラーメン屋。心から純粋な求道者!)の青山君、神田君、さーしちゃん。
自家製麺のぼる(いわずと知れた石川県らーめん業界のトップランナー!)ののぼるさん。
池田町バルバール(最高なイタリアンバル!)の池端さん。
カーブ・ド・べレゾン(ワイン愛が半端ないワインショップ!)の本田さん。
KOTTA(野々市のスパイシーでナチュラルで個性的なカレー屋!)のコッタさん!

みなさん、本当にありがとうございました!
こうしてどんどんと尊敬と信頼で強くつながっていけたらなぁ、と思っています!
これからもよろしくお願いします!(楽しすぎて一枚も写真を撮らなかったのは秘密です)

あなたが明日も優しくありますように。
あなたが明日もあなたらしくありますように。

LOVE & BEER!

そして

RAMEN & ROLL!!

金澤流麺物語 第215回

みなさんこんばんは。
このブログを書いている今は11/13(日)の22:25。
普段お休みを取っていないらーめん南にとって日曜日の夜だけは営業を休まさせていただいている日です。
普段なら家で一杯引っかけてるような時間です。
そんな日曜日の夜中にいまだ店にて仕込みをしてブログを書いています。

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深夜にラーメン屋がソフリトを仕込んだり

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ハチノスを下処理したりと何やってんすかね?

何を作っているかは次回のブログで書けるかな?
乞うご期待です。

開店して七か月が経ちました。
石川県歴の浅い僕も少しずつ横のつながりが出来てきました。
湘南時代には考えられなかった同業者との繋がりも出来てきました。
その中でも石川県の中でもトップランナーである金沢市玉鉾にある『自家製麺のぼる』さんとは本当に仲良くさせていただいています。

石川県のトップクラスのラーメン屋とまだ開店して7か月でそこまで知名度のある店とは言い難いらーめん南とでは全く『格』が違いますが、のぼるさんは定期的に僕の店に通ってくださっていて自然と交友は始まりました。

のぼるさん曰く「新店がでたらひとまず行くけど、通う店はそうそうない。南さんのらーめんは最初から何かが引っ掛かった」だそうです。
開店と同時に強烈な賛否両論を生み、中毒患者の様な常連様を生むと同時に下校途中の児童に「ねーねー、うちのお父さんがここのラーメン屋は不味いって言ってたよー」と言われる(爆笑)らーめん南のどこに引っ掛かってくれたのでしょうか。

「自分はずっとクセのないようならーめんを作ろうとしてた。金沢では主張の強いものは受けないだろう、という先入観があって。だから南さんのらーめんを食べたとき、大げさな言い方ではなくて、本当に衝撃を受けた。なんでこの人、ここまで主張することができるんだろう?って。それで気になって気になって。一回や二回食べただけではこの人の事わからないんだろうな、って思って、それで定期的に通うようになった。でも自分、シャイなんで自分から挨拶しなくてすいません」

と言ってくれた。

確かに僕は人生の意義は自己表現だと思っていることはすでにこのブログで何度も何度も書いています。
でもその自己表現は例え出発地点は自己満足だったとしても、自己表現を磨き続けることで共感を呼んでこそ、本当の自己表現です。
この七か月、らーめん南は色々と変化をしてきました。
のぼるさんはその変化をずっと見ながら僕のらーめんを評価していてくれたのでした。
嬉しいですよね。
石川県でトップクラスののぼるさんが、まだまだ駆け出しのらーめん南の事を評価してくれるなんて。

それからのぼるさんとはお互いの店を通ったり、時には一緒に食事に行ったりする仲になりました。

そんなある日、のぼるさんが僕に言いました。

「今日はお礼を言いに来たんだ。今回『シャモ&コーチン』という新作を出すんだけど、それは南さんに影響を受けて作ったんだ。今までなるべく素材の癖を出さないようにと作ってきたんだけど、南さんのらーめんを食べて、中毒性というか強いクセのあるらーめんを作りたいって思うようになったんだ。だから今回は南さんのおかげでできた様なものなんだ・・・・」

ええーーー!!!

僕はマジでビビりました。

石川県ですでに9年のキャリアがあり、押しも押されぬ行列店ののぼるさんが僕に影響を受けてらーめんを作ったなんて!!

お互い営業時間が被っているのでなかなかお邪魔することができませんでしたが、何とか時間を作って行ってきました!img_3542

これがその自家製麺のぼるさんのシャモ&コーチンです!!

「鶏の香りを前面に出したかった」

とのぼるさんが言う通り、丼が運ばれてくる時点で香り高さが伝わってきます!
否が応でも期待は高まります!
スープをすする前にまずは香りを楽しんでみることに・・・。
むむむ、これはうなりました。
まるで熟したトロピカルフルーツの様な芳香。
一口スープを口に含むと確かに鶏のうまみが口の中に強烈に広がります!
そして鶏のうまみの次に鼻孔を向けるように広がる鮮やかな酸味・・・。
普段の醤油タレに生揚げ醤油をブレンドしたことに由来する酸味とのこと。
言うなればまだ若く赤い花のブーケの様な鮮やかさと華やかさを伴った酸味・・・。
こうした華やかさは僕のらーめんにはありません。

感動しました。

こんな素晴らしいらーめん、僕の影響を受けただなんて・・・

おこがましすぎます・・・・!

石川県在住のみなさん!
今月一杯だそうです!!
未食の方は急いでくださーい!!
僕も最低でもあと一回は食べたいなぁ・・・。

尊敬するのぼるさん。

こうしてお互いに刺激を与えあい精進していきたいです!

食べ終わって僕はのぼるさんに言いました。

「のぼるさん!これはマジで美味い!よし!このらーめんへのアンサーソングならぬアンサーラーメン作るよ!」

そかさず

「そんなことしなくていいよ!」

とツッコムのぼるさんも素敵でした♪

みなさん、僕なんかが宣伝しなくてものぼるさんはすでに人気店ですが、石川県のらーめんを楽しむなら絶対マストの店なので要check it outですよ!!!

明日もあなたが優しくありますように。
明日もあなたがあなたらしくありますように。

LOVE & BEER!

そして

RAMEN & ROLL!!

最後に叫ばせろ!!

LONG LIVE RAMEN!!!

金澤流麺物語 第214回

あー眠い。いつでもどこでも3秒あれば眠れます。

らーめんの麺は中細ですが、神経の太さは極太麺クラスの金澤流麺らーめん南の南大祐です。

気まぐれらーめん。
僕はその日しかない【気まぐれらーめん】なんて、お客様のためを思ったらNGやろー、とずっと考えていました。
らーめんて何度も何度も作ることで洗練もされていくし、小さな変化の積み重ねで大きく変わったりしていくので、その日しかださないらーめんなんて、ただ客引きしたいだけやんけ?!みたいに思っていましてが、そんな考えって小さいなー、と思うようになりました。
まー、普通に考えたら、週に一回必ず来てくれるようなお客様がいたとして、そういう方がいつも変わらず安心して食べれる食事、という普遍性を持ったものがらーめんなのかな?とは思います。
でも普遍性を手に入れるまでにはかなーり革新的な変化を繰り返して来たわけで、それを自分の小さな考えで抑え付けるのもよくないしなー。
それに、急に思いついて作りたくなるらーめんってあるし、そういう創作意欲を大切にしたいし。
そこで最初に作った【プロヴァンスの風に吹かれて麺】


最初に食べに来てくれたのは、4月の開店からカップルてコツコツと通ってくれてるアミちゃんという女の子。
「朝、ツイッターでらーめん南の情報をチェックするのが日課です」
なんて言ってくれるとても優しい女の子です。
その子が「朝、気まぐれらーめんの情報を知って、仕事の間もう気が気じゃなかったです」なんて言ってくれました。
そして食べ終わった後、「来てよかった〜」との言葉・・・。
お客様がなにを食べてどう喜ぶかを、僕が勝手に決めつけたりしてたら意味がないですよね。
気まぐれらーめんはSNSのみの告知になるので、常連の方も存在を知らないままの方もいらっしやると思います。
それでもアミちゃんの様にわざわざ情報を自ら得て来てくださる方や、何の予備知識もなくたまたま来店した際に気まぐれらーめんの存在を知って、どんならーめんかも分からずに注文して「美味しい!」と言ってくださる方がいらっしゃいます。
それだけで十分気まぐれらーめんをやる価値があるなぁ、と気づかされましたし、お客様に教えていただきました。
だからこれからもちょくちょく気まぐれらーめんをリリースしていきます!
あと2種類ほど気まぐれらーめんで作りたいらーめんのアイデアがあります。
気まぐれらーめんはちょっと手間のかかる物になるので、頻繁には出ませんが、SNSで情報を集めてもらえたら嬉しく思います。


あなたが明日も優しくあります様に。
あなたが明日もあなたらしくあります様に。

LOVE & BEER!
そして

RAMEN &ROLL!!

金澤流麺物語 第213回

いきなりですが、ダイエット、辞めました。だってしんどいもん。

「痩せたい!痩せなきゃ!」っていう意識、ほんまにしんどいです。

らーめん屋をやっていて、「あ!こんなアイデアええんちゃう?」と閃いて試作と試食を繰り返して罪悪感が募るって、本当に体にも心にも良くないです。

でも「らーめん屋やし太ってんのしゃあないやん」って開き直るのも、「痩せたいから試食を我慢」っていうのもおかしいので、これからは「健康的な体を維持する」という意識で行こうと思います!

以前に「72キロまで落とすのが目標!」とか言ってましたけど、100キロあった体を一時期とはいえ78キロまで落とすのができて、今は85キロ前後をキープ。

まぁいいですよね?ひとまずダイエット成功ということで、いいですよね?ね?

これからは筋トレをしっかりして基礎代謝を上げて太りにくく元気な体を作ります!

ということで、これからも試作と試食をもりもり行います!
こんばんは!
カリスマダイエッター引退会見を終えた金澤流麺らーめん南の南大祐です!

先週の金曜、今週の月曜、そして昨日とこの1週間の間に三回『気まぐれらーめん』をリリースいたしました。


ひとつがこちら。
プロヴァンスの風に振り向けば麺】

ベースは塩らーめんです。

トッピングにハーブ(ルッコラ、クレソン、ベビーリーフ)、白髪ネギ、チャーシュー、そしてタプナードマスタードです。

タプナードにはナスも加えてあり、非常に滑らかなタプナードになっています。
まずはそのまま食べていただき、少しずつタプナードを溶かして食べると、ブラックオリーブのコクと塩気が一気に広がります。
食べ進めながらマスタードを溶かしていくと、マスタードの辛味と酸味がタプナードのコクと塩気と混ざり合い、なんともいえないエキゾチックな風味が広がります。
お客様も「これもはやらーめんではないね」と仰られていましたが、じゃあなんの料理なのかと言えば、らーめんとしか言いようがない一品です。
そしてもう一つ。

【ガリシアへの祈りの道は希望の光麺】です。

このらーめんに関してはもはやチャーシューもネギも入っていません!
らーめんの上に浮いている赤いオイルは、普段ならネギの香りをつけている牛脂にニンニクとパプリカの風味をつけました。
そしてハーブの上に、スペインガリシア地方の郷土料理をアレンジしたジャガイモとタコが載っています。
仕上げにパルミジャーノレッジャーノをふりかけ完成!
「これもはやらーめんじゃない感」はもしかするとこちらの方が上かも知れません。
しかしどこまでもらーめんです。
今回の塩らーめんは、【海の向こうのジャポネーゼ麺】で大葉ペーストを溶かすことを前提に作ったので、優しい塩気のスープに仕上げています。
そのスープはまるで真っ白なキャンバス。
その上から自由に絵を描いている様な気持ちです。
もう一品くらい気まぐれらーめんを考えています。
これからも週に一回くらい気まぐれらーめんをやっていこうかな、なんて考えています!
プロヴァンスの風に吹かれて麺】も【ガリシアへの祈りの道は希望の光麺】もまだまだこれからも登場すると思うので、SNSのチェック、どうぞよろしくお願いいたします!
自由な感性で皆さんが喜ぶらーめんを作っていきたいと思うので、もっともっと自分を磨いていきますね!!

明日もあなたが優しくあります様に。

明日もあなたがあなたらしくあります様に。

LOVE & BEER!

そして

RAMEN & ROLL!!

金澤流麺物語 第212回

探せど探せど出てこないので結局買っちゃいました。

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ショウペンハウアー『読書について』

内容をあまりにもざっくりというと(めちゃくちゃざっくりと言うので「それは違うぞ!」みたいなご意見はご容赦ください・・・)

読書をするという行為は、他人の意見を鵜呑みにする行為であって、無意味である。無駄に読書をするくらいならもっと自分の中で考えて自分だけの知恵を持て!

みたいな内容です。(ざっくり書いただけですよ・・・悪しからず・・・)

初めて読んだのは高校生のころ。

当時は書いてある内容なんてチンプンカンプンでした。

解っているふり読んでいるふりをしていました。

その次に読んだのは20歳を過ぎてから。
その内容の過激さに読書熱が過熱していた僕は
「こんな有名な人が言ってるくらいやねんから、読書なんてほんまに意味ないんかなぁ・・・」と思いっきり真に受けてショックを受けていました(今思うと・・・かわいい。笑)

その次に読んだのは30歳を過ぎてから。
その頃には随分心も図太くなり「まぁまぁ昔の人が書いてる事やねんから、散文詩でも読んでるつもりで楽しんだらええんちゃう?」と生意気な態度で読んでました。

そして40歳になって、このブログに読書について書いてみようと思ってこうして読み直してみると・・・面白いもんですよね。

「なるほど、ここは自分の体験ならこういう場面のことなんかな?」
「そっか。これは逆説的にこういう意味なんかな?」
「あぁ、ほんまはこういう事を言いたいことを、こういう表現の仕方をしてるのかな?」

などと本から一方的に受け取るのではなくて本と対話する様に読んでいる自分がいました。

若い頃の僕って、自分の頭で考えようとしたって知識や経験が圧倒的に少ないから、考えても考えてもいっつも同じような答えにたどり着くだけなんですよね。
自分を相対的に見る事が出来なかったし、自分と他人や世界と比較する対象も少なかったですから。
そんな世間知らずな若者だった僕が、多少の経験と読書量が増えた30代になると、まるでなんでも知っているかの様な気持ちになってしまって、自分と意見の違う人の事を受け入れられなかったりして口論になったりちょっと歪んだ自論を押し付けたり。

そして40歳になって「あれ?俺、なんにも知らんぞ?やばいな、もっと勉強せなアホなままやな」とやっと気づきました。
遅すぎるっちゅうねん。
そうするともっと読みたいし、読んだ本の内容を鵜呑みにするのではなく自然と本と対話する様に読むようになっていました。

遅すぎてアホ過ぎますよね~。

若い頃からこういう姿勢で本を読んでたらもっと失敗せえへんかったんかなぁ。

だから今の僕はショウペンハウアーの『読書について』を読んでこう思っています。

本を鵜呑みにしてわかったふりするな。
対話するように読んで自分の言葉にしろ。
そしてより本と対話できる自分になって自分の主体と、相対する世界とをきちんと理解しろ。
そうなれるためにも【対話する様な読書の質が必要】
すぐにはそうなれないか、まずは読書しろ!

と、勝手に多読肯定論にすり替えてます(笑)

もう10年経ってこの本を読んだとき、僕の考えはどう変化しているのでしょうね?
今から楽しみです。
自分の考えに拘泥せずに柔軟に自分を変化させて成長できる自分でいたいです。
まだまだ青二才!
もっと色んなものを見て吸収して、オモロイやっちゃなー!って思ってもらえるラーメン屋になっていきたいです。

そのために読書はほんま有効な手段やと信じてます。

ショウペンハウアー先生、どうもありがとう。

明日もあなたが優しくありますように。
明日もあなたがあなたらしくありますように。

LOVE & BEER!
そして

RAMEN & ROLL!!

金澤流麺物語 第211回

こんにちは。

読者量は同世代の男性の中ではそこそこ多い方だと思うのですが、それを実生活や仕事で活かしきれずに失敗だらけの金澤流麺らーめん南の南大祐です。

先日、4月の開店から何度も何度も通ってくれている若い女の子と初めて話す機会がありました。

僕のこれまでの経緯や、若い頃の屈託、失敗と挫折、そして自己破産から親友の剛の出資によっての開業、そしてこれからの夢や目標なんかを話すことができました。

その時その女の子がこう言いました。

「私も南さんみたいに熱くなれるものが欲しいです。でも何をしていいのかわかりません」

その気持ちはとーーーーってもよくわかります。

僕は19歳から24歳までの石川県に住んでいた五年間、全く同じ気持ちを抱えて鬱々と暮らしていましたから。

でも僕がこの子よりも酷かったのは、その屈託を酒の力や若さからくる衝動であまりよくない方向へと発散していた事です。

ですから僕からしたらその子はとてもしっかりしていて羨ましいくらいなのですが、おこがましいと思いつつも【何かやりたいけど何をやっていいかわからない時】のひとつの対策として、【本をたくさん読む】というのはとても有意義だと思うと伝えさせていただきました。

本のジャンルはなんでもいいと思います。

純文学でも、エンターテイメントでも、サスペンスでもミステリーでも、歴史書でも、哲学書でも、有名人やスポーツ選手の自伝や伝記でも、ビジネス書でも、実用書でも、健康法やお片づけ方の本、映画の本、etcetc・・・。

なんでもいいと思います。

コツは浴びるように、そしてノンジャンルでひたすら言葉の海に溺れる様に読むべきだと思います。

本は、その一冊一冊に作者の経験や想いや人生が詰まっています。

自分一人の人生では経験しえないような話が山のように埋もれています。

友達や家族とだけ過ごしていたら知る由もない他人の人生観が見えてきたりします。

時には主人公に感情移入しながら読むのもいいと思います。

本の世界の中でその主人公になりきって、違う人格として読書の時間を生きるのです。

僕も10代の頃にドストエフスキーの『罪と罰』を読みながら自分が主人公のラスコリーニコフになったつもりで見たこともないサンクトペテルブルクを歩いているような気持ちになったり、夏目漱石の『三四郎』を読みながら明治時代の東京を歩いているような気持ちになっていました。


すると自分の中に何か新しい自分が生まれそうな気がしてきます。

でも、本を読んだだけでは生まれそうな気がするだけで、結局は生まれません。

読んだ後は、街に出て人に会うことだと思います。

人に会えば同じ思いを抱えて共感し合える人もいれば、全く相容れない感性の持ち主とも出会えます。

自分の中の自分をたくましく強く育てていくのは、結局は他者との関係性だと思います。

その他者との向き合う自分を作るための、読書。

そう思えば読書ってなんて楽しいのかな。

その中で人との差異や自分の本当に気持ちのいい場所や時間、やりたい事なんかがみつかったら、もう人生は拓けたも同然。

夢を見つける事ができた事、その事が本当に幸せです。

熱くなれる夢を見つけられるか、見つけられないか、は僕にはわかりません。

でも僕は夢が欲しいとひたすら足掻きに足掻いて、そしてたくさんの人の支えがあってやっとらーめん屋になれました。

とにかく足掻くこと。

そして読書はその足掻きを常に力強くしてくれると思います。

あれ?

なんか人生訓めいた恥ずかしい内容になってしまった!!

読書について。

次回に続きます!

 

金澤流麺物語 第210回

金澤流麺らーめん南のグランドオープンも間近に迫ったとある日、中学時代のラグビー部の仲間が金沢に出張の際にわざわざ時間を作って店まで来てくれました。

その友達の名はみっちゃんとしておきます。

みっちゃんに試作中のらーめんを食べてもらい、その後片町に飲みに行こうと約束をしていたのです。

みっちゃんとの再会はおよそ21年ぶり。

19歳に会ったのを最後に全くもって音信不通でした。

最近ではよく聞く話ですが、みっちゃんとはフェイスブックを通じて再開し、湘南の僕の店に「いつか食べに行くから」と言ってくれていました。

みっちゃんが湘南に来るより先に僕が石川県に引っ越したので、たまたまみっちゃんが金沢に出張の仕事が入ったので金沢での再会を果たすことが出来ました。

みっちゃんはこのブログをずっと読んでくれていたらしく、僕の店に来るなりこう言いました。

「大さん、ブログ読んだで。あれ読んでるとな、なんか大さんえらい頭ええ人みたいに感じるけど、大さんがあんま頭良くないの俺知ってるねんかぁ。なんなんあれ?詐欺?ゴーストライター?」

えらい言われ様です。

「なんでやねんな!俺子供の頃から読書家やったやん!頭は良くないけど文章書いたらあんなんなんねん!」

「読書家?大さん、週刊少年マガジンしか読んでなかったやん」

ズコ!

かと思えばこんなエピソードもありました。

高校時代、ラグビー部の後輩が僕の一人暮らしをしていた部屋に何人か「南さん、相談に乗ってくださいよ」とやって来た時の話です。

ポテトチップスやコーラを買い込んで、僕の部屋に集まって「ほな、なんやねん?相談って?」と話しを聞こうとしたのですが、後輩は僕の部屋をキョロキョロして少し訝しい顔付きをしています。

そして僕の方へ向き直りいきなりこう言いました。

「南さん、こんな本読んでんすか?気持ち悪いっすね」

僕の本棚を見た後輩は相談してもらう気も失せたのか、ポテトチップスを食べてバカ話をして帰っていきました。

その時に本棚にあった本が

・アルベールカミュ『異邦人』

・フランツカフカ『変身』

そして

ショーペンハウアー『自殺について』『読書について』

でした。

無骨で頭も筋肉で出来ているようなラグビーの後輩(失礼)からしてら、きっと気持ち悪かったのでしょうね。

前回のブログで音楽について書いてみました。

今回は読書が僕に与えた影響を書いてみようと思って、本棚や本を収めた段ボール箱を探してみましたが、今回のタイトルにも使わさせてもらったショーペンハウアー『読者について』が見つかりませんでした。

引用してみたい箇所があったのですが。

しかしこの二冊が出て来ました。


坂口安吾堕落論

中原中也詩集

です。

これ、二冊とも中学一年生の時に買った本です!

しかも、古本屋で!!

ですからところどころページが湿気ですやられていたり、紙がうすくなっていたり、活字なんて昔の文庫本ですからとても小さいです。

本はどんどん処分したり人に譲ったりするのですが、自分の原点みたいな本がこうして荷物の片隅に残っていたことがなぜかとても嬉しかったです。

ページを開いて少しだけ読んでみましたが、もちろん10代の頃のような感動や興奮があるわけではありません。

感受性も変わっているし、何より僕はまだ何も知らなかった13歳の頃よりかは、ちょびっとだけ人生の辛酸を舐めて来ましたから。

でも10代の頃に受けた影響や感動があって、今のらーめん屋の僕がいて、今お客様に食べていただいているらーめんがあります。

全部全部一直線に繋がっています。

まだ、過去の物になりきらない、変わらない瑞々しさがきっと40歳の僕にもあります。

そんな感受性や感性を磨かしてくれたのは、間違いなく読書体験です。

次回、ショーペンハウアーの『読者について』を少しだけ思い出しながら、読書が与えてくれた影響について書いてみたいと思います。

最近お客様の中で「ブログ読んでます。仕事も大変だと思いますが、更新も楽しみにしてます」なんて言ってくださる方が増えて来ました。

元々らーめんそのものと関係のない話ばかり書いているブログですが、ここに書いている話は全部今のらーめんへと辿り着いています。

読んでくれた事で僕のらーめんへの理解が増してくれたら嬉しく思います。

あなたが明日も優しくあります様に。

あなたが明日もあなたらしくあります様に。

LOVE & BEER!

そして

RAMEN & ROLL!!