ラーライブ〜MSGフリープロジェクト〜

石川県を中心に北陸で無化調でらーめんを作っている有志によるアミーゴ達の活動をブログに書いていきます。よろしくお願いいたします。

金澤流麺物語 第214回

あー眠い。いつでもどこでも3秒あれば眠れます。

らーめんの麺は中細ですが、神経の太さは極太麺クラスの金澤流麺らーめん南の南大祐です。

気まぐれらーめん。
僕はその日しかない【気まぐれらーめん】なんて、お客様のためを思ったらNGやろー、とずっと考えていました。
らーめんて何度も何度も作ることで洗練もされていくし、小さな変化の積み重ねで大きく変わったりしていくので、その日しかださないらーめんなんて、ただ客引きしたいだけやんけ?!みたいに思っていましてが、そんな考えって小さいなー、と思うようになりました。
まー、普通に考えたら、週に一回必ず来てくれるようなお客様がいたとして、そういう方がいつも変わらず安心して食べれる食事、という普遍性を持ったものがらーめんなのかな?とは思います。
でも普遍性を手に入れるまでにはかなーり革新的な変化を繰り返して来たわけで、それを自分の小さな考えで抑え付けるのもよくないしなー。
それに、急に思いついて作りたくなるらーめんってあるし、そういう創作意欲を大切にしたいし。
そこで最初に作った【プロヴァンスの風に吹かれて麺】


最初に食べに来てくれたのは、4月の開店からカップルてコツコツと通ってくれてるアミちゃんという女の子。
「朝、ツイッターでらーめん南の情報をチェックするのが日課です」
なんて言ってくれるとても優しい女の子です。
その子が「朝、気まぐれらーめんの情報を知って、仕事の間もう気が気じゃなかったです」なんて言ってくれました。
そして食べ終わった後、「来てよかった〜」との言葉・・・。
お客様がなにを食べてどう喜ぶかを、僕が勝手に決めつけたりしてたら意味がないですよね。
気まぐれらーめんはSNSのみの告知になるので、常連の方も存在を知らないままの方もいらっしやると思います。
それでもアミちゃんの様にわざわざ情報を自ら得て来てくださる方や、何の予備知識もなくたまたま来店した際に気まぐれらーめんの存在を知って、どんならーめんかも分からずに注文して「美味しい!」と言ってくださる方がいらっしゃいます。
それだけで十分気まぐれらーめんをやる価値があるなぁ、と気づかされましたし、お客様に教えていただきました。
だからこれからもちょくちょく気まぐれらーめんをリリースしていきます!
あと2種類ほど気まぐれらーめんで作りたいらーめんのアイデアがあります。
気まぐれらーめんはちょっと手間のかかる物になるので、頻繁には出ませんが、SNSで情報を集めてもらえたら嬉しく思います。


あなたが明日も優しくあります様に。
あなたが明日もあなたらしくあります様に。

LOVE & BEER!
そして

RAMEN &ROLL!!

金澤流麺物語 第213回

いきなりですが、ダイエット、辞めました。だってしんどいもん。

「痩せたい!痩せなきゃ!」っていう意識、ほんまにしんどいです。

らーめん屋をやっていて、「あ!こんなアイデアええんちゃう?」と閃いて試作と試食を繰り返して罪悪感が募るって、本当に体にも心にも良くないです。

でも「らーめん屋やし太ってんのしゃあないやん」って開き直るのも、「痩せたいから試食を我慢」っていうのもおかしいので、これからは「健康的な体を維持する」という意識で行こうと思います!

以前に「72キロまで落とすのが目標!」とか言ってましたけど、100キロあった体を一時期とはいえ78キロまで落とすのができて、今は85キロ前後をキープ。

まぁいいですよね?ひとまずダイエット成功ということで、いいですよね?ね?

これからは筋トレをしっかりして基礎代謝を上げて太りにくく元気な体を作ります!

ということで、これからも試作と試食をもりもり行います!
こんばんは!
カリスマダイエッター引退会見を終えた金澤流麺らーめん南の南大祐です!

先週の金曜、今週の月曜、そして昨日とこの1週間の間に三回『気まぐれらーめん』をリリースいたしました。


ひとつがこちら。
プロヴァンスの風に振り向けば麺】

ベースは塩らーめんです。

トッピングにハーブ(ルッコラ、クレソン、ベビーリーフ)、白髪ネギ、チャーシュー、そしてタプナードマスタードです。

タプナードにはナスも加えてあり、非常に滑らかなタプナードになっています。
まずはそのまま食べていただき、少しずつタプナードを溶かして食べると、ブラックオリーブのコクと塩気が一気に広がります。
食べ進めながらマスタードを溶かしていくと、マスタードの辛味と酸味がタプナードのコクと塩気と混ざり合い、なんともいえないエキゾチックな風味が広がります。
お客様も「これもはやらーめんではないね」と仰られていましたが、じゃあなんの料理なのかと言えば、らーめんとしか言いようがない一品です。
そしてもう一つ。

【ガリシアへの祈りの道は希望の光麺】です。

このらーめんに関してはもはやチャーシューもネギも入っていません!
らーめんの上に浮いている赤いオイルは、普段ならネギの香りをつけている牛脂にニンニクとパプリカの風味をつけました。
そしてハーブの上に、スペインガリシア地方の郷土料理をアレンジしたジャガイモとタコが載っています。
仕上げにパルミジャーノレッジャーノをふりかけ完成!
「これもはやらーめんじゃない感」はもしかするとこちらの方が上かも知れません。
しかしどこまでもらーめんです。
今回の塩らーめんは、【海の向こうのジャポネーゼ麺】で大葉ペーストを溶かすことを前提に作ったので、優しい塩気のスープに仕上げています。
そのスープはまるで真っ白なキャンバス。
その上から自由に絵を描いている様な気持ちです。
もう一品くらい気まぐれらーめんを考えています。
これからも週に一回くらい気まぐれらーめんをやっていこうかな、なんて考えています!
プロヴァンスの風に吹かれて麺】も【ガリシアへの祈りの道は希望の光麺】もまだまだこれからも登場すると思うので、SNSのチェック、どうぞよろしくお願いいたします!
自由な感性で皆さんが喜ぶらーめんを作っていきたいと思うので、もっともっと自分を磨いていきますね!!

明日もあなたが優しくあります様に。

明日もあなたがあなたらしくあります様に。

LOVE & BEER!

そして

RAMEN & ROLL!!

金澤流麺物語 第212回

探せど探せど出てこないので結局買っちゃいました。

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ショウペンハウアー『読書について』

内容をあまりにもざっくりというと(めちゃくちゃざっくりと言うので「それは違うぞ!」みたいなご意見はご容赦ください・・・)

読書をするという行為は、他人の意見を鵜呑みにする行為であって、無意味である。無駄に読書をするくらいならもっと自分の中で考えて自分だけの知恵を持て!

みたいな内容です。(ざっくり書いただけですよ・・・悪しからず・・・)

初めて読んだのは高校生のころ。

当時は書いてある内容なんてチンプンカンプンでした。

解っているふり読んでいるふりをしていました。

その次に読んだのは20歳を過ぎてから。
その内容の過激さに読書熱が過熱していた僕は
「こんな有名な人が言ってるくらいやねんから、読書なんてほんまに意味ないんかなぁ・・・」と思いっきり真に受けてショックを受けていました(今思うと・・・かわいい。笑)

その次に読んだのは30歳を過ぎてから。
その頃には随分心も図太くなり「まぁまぁ昔の人が書いてる事やねんから、散文詩でも読んでるつもりで楽しんだらええんちゃう?」と生意気な態度で読んでました。

そして40歳になって、このブログに読書について書いてみようと思ってこうして読み直してみると・・・面白いもんですよね。

「なるほど、ここは自分の体験ならこういう場面のことなんかな?」
「そっか。これは逆説的にこういう意味なんかな?」
「あぁ、ほんまはこういう事を言いたいことを、こういう表現の仕方をしてるのかな?」

などと本から一方的に受け取るのではなくて本と対話する様に読んでいる自分がいました。

若い頃の僕って、自分の頭で考えようとしたって知識や経験が圧倒的に少ないから、考えても考えてもいっつも同じような答えにたどり着くだけなんですよね。
自分を相対的に見る事が出来なかったし、自分と他人や世界と比較する対象も少なかったですから。
そんな世間知らずな若者だった僕が、多少の経験と読書量が増えた30代になると、まるでなんでも知っているかの様な気持ちになってしまって、自分と意見の違う人の事を受け入れられなかったりして口論になったりちょっと歪んだ自論を押し付けたり。

そして40歳になって「あれ?俺、なんにも知らんぞ?やばいな、もっと勉強せなアホなままやな」とやっと気づきました。
遅すぎるっちゅうねん。
そうするともっと読みたいし、読んだ本の内容を鵜呑みにするのではなく自然と本と対話する様に読むようになっていました。

遅すぎてアホ過ぎますよね~。

若い頃からこういう姿勢で本を読んでたらもっと失敗せえへんかったんかなぁ。

だから今の僕はショウペンハウアーの『読書について』を読んでこう思っています。

本を鵜呑みにしてわかったふりするな。
対話するように読んで自分の言葉にしろ。
そしてより本と対話できる自分になって自分の主体と、相対する世界とをきちんと理解しろ。
そうなれるためにも【対話する様な読書の質が必要】
すぐにはそうなれないか、まずは読書しろ!

と、勝手に多読肯定論にすり替えてます(笑)

もう10年経ってこの本を読んだとき、僕の考えはどう変化しているのでしょうね?
今から楽しみです。
自分の考えに拘泥せずに柔軟に自分を変化させて成長できる自分でいたいです。
まだまだ青二才!
もっと色んなものを見て吸収して、オモロイやっちゃなー!って思ってもらえるラーメン屋になっていきたいです。

そのために読書はほんま有効な手段やと信じてます。

ショウペンハウアー先生、どうもありがとう。

明日もあなたが優しくありますように。
明日もあなたがあなたらしくありますように。

LOVE & BEER!
そして

RAMEN & ROLL!!

金澤流麺物語 第211回

こんにちは。

読者量は同世代の男性の中ではそこそこ多い方だと思うのですが、それを実生活や仕事で活かしきれずに失敗だらけの金澤流麺らーめん南の南大祐です。

先日、4月の開店から何度も何度も通ってくれている若い女の子と初めて話す機会がありました。

僕のこれまでの経緯や、若い頃の屈託、失敗と挫折、そして自己破産から親友の剛の出資によっての開業、そしてこれからの夢や目標なんかを話すことができました。

その時その女の子がこう言いました。

「私も南さんみたいに熱くなれるものが欲しいです。でも何をしていいのかわかりません」

その気持ちはとーーーーってもよくわかります。

僕は19歳から24歳までの石川県に住んでいた五年間、全く同じ気持ちを抱えて鬱々と暮らしていましたから。

でも僕がこの子よりも酷かったのは、その屈託を酒の力や若さからくる衝動であまりよくない方向へと発散していた事です。

ですから僕からしたらその子はとてもしっかりしていて羨ましいくらいなのですが、おこがましいと思いつつも【何かやりたいけど何をやっていいかわからない時】のひとつの対策として、【本をたくさん読む】というのはとても有意義だと思うと伝えさせていただきました。

本のジャンルはなんでもいいと思います。

純文学でも、エンターテイメントでも、サスペンスでもミステリーでも、歴史書でも、哲学書でも、有名人やスポーツ選手の自伝や伝記でも、ビジネス書でも、実用書でも、健康法やお片づけ方の本、映画の本、etcetc・・・。

なんでもいいと思います。

コツは浴びるように、そしてノンジャンルでひたすら言葉の海に溺れる様に読むべきだと思います。

本は、その一冊一冊に作者の経験や想いや人生が詰まっています。

自分一人の人生では経験しえないような話が山のように埋もれています。

友達や家族とだけ過ごしていたら知る由もない他人の人生観が見えてきたりします。

時には主人公に感情移入しながら読むのもいいと思います。

本の世界の中でその主人公になりきって、違う人格として読書の時間を生きるのです。

僕も10代の頃にドストエフスキーの『罪と罰』を読みながら自分が主人公のラスコリーニコフになったつもりで見たこともないサンクトペテルブルクを歩いているような気持ちになったり、夏目漱石の『三四郎』を読みながら明治時代の東京を歩いているような気持ちになっていました。


すると自分の中に何か新しい自分が生まれそうな気がしてきます。

でも、本を読んだだけでは生まれそうな気がするだけで、結局は生まれません。

読んだ後は、街に出て人に会うことだと思います。

人に会えば同じ思いを抱えて共感し合える人もいれば、全く相容れない感性の持ち主とも出会えます。

自分の中の自分をたくましく強く育てていくのは、結局は他者との関係性だと思います。

その他者との向き合う自分を作るための、読書。

そう思えば読書ってなんて楽しいのかな。

その中で人との差異や自分の本当に気持ちのいい場所や時間、やりたい事なんかがみつかったら、もう人生は拓けたも同然。

夢を見つける事ができた事、その事が本当に幸せです。

熱くなれる夢を見つけられるか、見つけられないか、は僕にはわかりません。

でも僕は夢が欲しいとひたすら足掻きに足掻いて、そしてたくさんの人の支えがあってやっとらーめん屋になれました。

とにかく足掻くこと。

そして読書はその足掻きを常に力強くしてくれると思います。

あれ?

なんか人生訓めいた恥ずかしい内容になってしまった!!

読書について。

次回に続きます!

 

金澤流麺物語 第210回

金澤流麺らーめん南のグランドオープンも間近に迫ったとある日、中学時代のラグビー部の仲間が金沢に出張の際にわざわざ時間を作って店まで来てくれました。

その友達の名はみっちゃんとしておきます。

みっちゃんに試作中のらーめんを食べてもらい、その後片町に飲みに行こうと約束をしていたのです。

みっちゃんとの再会はおよそ21年ぶり。

19歳に会ったのを最後に全くもって音信不通でした。

最近ではよく聞く話ですが、みっちゃんとはフェイスブックを通じて再開し、湘南の僕の店に「いつか食べに行くから」と言ってくれていました。

みっちゃんが湘南に来るより先に僕が石川県に引っ越したので、たまたまみっちゃんが金沢に出張の仕事が入ったので金沢での再会を果たすことが出来ました。

みっちゃんはこのブログをずっと読んでくれていたらしく、僕の店に来るなりこう言いました。

「大さん、ブログ読んだで。あれ読んでるとな、なんか大さんえらい頭ええ人みたいに感じるけど、大さんがあんま頭良くないの俺知ってるねんかぁ。なんなんあれ?詐欺?ゴーストライター?」

えらい言われ様です。

「なんでやねんな!俺子供の頃から読書家やったやん!頭は良くないけど文章書いたらあんなんなんねん!」

「読書家?大さん、週刊少年マガジンしか読んでなかったやん」

ズコ!

かと思えばこんなエピソードもありました。

高校時代、ラグビー部の後輩が僕の一人暮らしをしていた部屋に何人か「南さん、相談に乗ってくださいよ」とやって来た時の話です。

ポテトチップスやコーラを買い込んで、僕の部屋に集まって「ほな、なんやねん?相談って?」と話しを聞こうとしたのですが、後輩は僕の部屋をキョロキョロして少し訝しい顔付きをしています。

そして僕の方へ向き直りいきなりこう言いました。

「南さん、こんな本読んでんすか?気持ち悪いっすね」

僕の本棚を見た後輩は相談してもらう気も失せたのか、ポテトチップスを食べてバカ話をして帰っていきました。

その時に本棚にあった本が

・アルベールカミュ『異邦人』

・フランツカフカ『変身』

そして

ショーペンハウアー『自殺について』『読書について』

でした。

無骨で頭も筋肉で出来ているようなラグビーの後輩(失礼)からしてら、きっと気持ち悪かったのでしょうね。

前回のブログで音楽について書いてみました。

今回は読書が僕に与えた影響を書いてみようと思って、本棚や本を収めた段ボール箱を探してみましたが、今回のタイトルにも使わさせてもらったショーペンハウアー『読者について』が見つかりませんでした。

引用してみたい箇所があったのですが。

しかしこの二冊が出て来ました。


坂口安吾堕落論

中原中也詩集

です。

これ、二冊とも中学一年生の時に買った本です!

しかも、古本屋で!!

ですからところどころページが湿気ですやられていたり、紙がうすくなっていたり、活字なんて昔の文庫本ですからとても小さいです。

本はどんどん処分したり人に譲ったりするのですが、自分の原点みたいな本がこうして荷物の片隅に残っていたことがなぜかとても嬉しかったです。

ページを開いて少しだけ読んでみましたが、もちろん10代の頃のような感動や興奮があるわけではありません。

感受性も変わっているし、何より僕はまだ何も知らなかった13歳の頃よりかは、ちょびっとだけ人生の辛酸を舐めて来ましたから。

でも10代の頃に受けた影響や感動があって、今のらーめん屋の僕がいて、今お客様に食べていただいているらーめんがあります。

全部全部一直線に繋がっています。

まだ、過去の物になりきらない、変わらない瑞々しさがきっと40歳の僕にもあります。

そんな感受性や感性を磨かしてくれたのは、間違いなく読書体験です。

次回、ショーペンハウアーの『読者について』を少しだけ思い出しながら、読書が与えてくれた影響について書いてみたいと思います。

最近お客様の中で「ブログ読んでます。仕事も大変だと思いますが、更新も楽しみにしてます」なんて言ってくださる方が増えて来ました。

元々らーめんそのものと関係のない話ばかり書いているブログですが、ここに書いている話は全部今のらーめんへと辿り着いています。

読んでくれた事で僕のらーめんへの理解が増してくれたら嬉しく思います。

あなたが明日も優しくあります様に。

あなたが明日もあなたらしくあります様に。

LOVE & BEER!

そして

RAMEN & ROLL!!

金澤流麺物語 第209回

こんにちは。

らーめん屋で働き出すまでは「ロックスターになって印税生活するか、芥川賞作家になって印税生活するか、しか俺の未来はねぇな」とか考えてたバカ者の若者だった金澤流麺らーめん南の南大祐です。

ちなみにロックスターと小説家の間を取ってらーめん屋になりました。

あぁ、らーめん屋になれてよかった・・・ほんまに・・・。

らーめん屋になれてなかったら、どこかで野垂れ死ぬか、ただの迷惑なオッさんになってたかのどっちかやったやろなぁ・・・。

ロックスターというのは置いといたとして、音楽は幼い頃から大好きでした。

でも音感もリズム感もない事は自分が一番よく分かっていて、幼い頃から音楽は聴く専門でした。

保育園に通っていた頃、リズムの時間という授業が週に一回あって、保育園に通っている園児みんなで音楽に合わせて走ったり飛んだり跳ねたりする時間でした。

幼い頃の僕はその時間が苦痛で苦痛で。

なんだかんだ言ってもサボっていました。

リズムの時間の次に嫌いだったのがサッカーの時間でした。

園児ながらに作戦とか立てるんです。

最初はウンウンと作戦を一緒になって聞いてるのですが、途中で「この作戦を俺がミスったら、えらいこっちゃな」と思い出して、ミスをするのが怖くて「俺、キーパーでええわ」とさっさと仲間の輪から離れて一人でゴール前でポツンと待っていました。

幼い頃の僕は積極性もなく、運動もきらい、協調性もない、そのくせお絵かきとか粘土遊びとか一人で出来る遊びが大好きなマイワールドの強い子供でした。

友達を作るのも苦手で、同じ友達ばかりと遊んでいて、その友達が、他の誰かと遊び出したらふてくされて一人でいじけている様な子供でした。

そんな僕がラグビー部ではキャプテンを務めて、仲間と組んだバンドでは常にボーカルと作詞を担当するのですから、人間どんな風に成長していくのか分からないものですね。

音楽が一番僕に教えてくれた事は、自己表現する事は素晴らしい、大切だ、生きている証だ、という事でした。

だから今でも音楽を浴びる様に聴いて暮らしています。

ジャンルは結構なんでも。

オールジャンルな方だと思います。

通勤の車では体をアクティブに動かせる様にリズムがドシンドシンと体に響く様なヒップホップを聴きながら出勤したり。

店に入って準備を始めたらその時に一番ハマってて元気になるアーティストを選んでノリをあげて仕込みをしたり最近はchan-mikaがお気に入り)


営業が始まったら、明るいサンバやサルサ、時にはボサノバでも明るい曲調を選んだり、セルジオメンデスをブラックアイドピーズがリミックスしたアルバムをかけたり。
夜はあまり激しくないハードバップビバップの中から少しムードのあるものを選んだり。クリフォードブラウンとか、ソニークラークとか。ムードのあるソウルミュージックをかけたり。
帰りの車ではフィッシュマンズだったり、ブラジル人シンガーのマルシアロペスで心を落ち着かせたり・・・などなど。
本当に節操なく音楽を楽しんでいます。

僕は人の温もりや温度の感じられる音楽が好きです。

そんなアーティストの自己表現が、会ったことも話したこともない僕の心を震わせるのですから、音楽って時間や国境や肌の色を超えて伝わる何かがあるねんなぁ・・・とほんまに感動します。

僕の作るらーめんは、目の前で食べてくれない事には何も伝わらないです。

音楽の様にレコードになって大切に扱われて保管されている以上はいつでもその感動を味わえる・・・とはいきませんが、その分毎日ライブを開いてる様なものなのかな?とも思います。

毎日いいライブをして、お客様の中の何かに届けばいいなぁ。

たくさんの尊敬するアーティスト達が悩んで苦しんで、激情から優しさから、体から心から、音楽を生み出してきた様に。

そうなれるにはまだまだですが、僕も出来ることをしっかり真面目にやって、少しでも人の心をリフトアップできるものを作らなきゃ。

いつもそう思います。

時々、好きなアーティストについてブログを書いていきたいと思います。

自己満足度が増す可能性もありますが(笑)、どうぞお付き合いください。

あなたが明日も優しくあります様に。

あなたが明日もあなたらしくあります様に。

LOVE & BEER!

そして

RAMEN & ROLL!!

金澤流麺物語 第208回

今日も朝の試食を妹と行いながら

僕「美味いなぁ、麺」

妹「美味しいね、麺」

僕「ほんま美味いなぁ、麺」

妹「うん、ほんと美味しいね、麺」

・・・スープは?

麺マジで美味いんで、よろしくお願いします。

金澤流麺らーめん南の南大祐です。

先日、幼い女の子が「この麺美味しい!パンみたいな味がする!」と大きな声で言ってくれました。

大正解です。

将来グルメ間違いなしです。

国産小麦100%の全粒粉麺なので、小麦の美味しさがダイレクトに伝わります。

ちなみに、うちの麺は硬めだとあまり良さが出ません。

しっかり茹でた方が美味しいです。

小麦を噛み噛みしてる感じが出ます。

でも硬い食感がお好きな方はお気軽に「硬めで」とお伝えください。

硬めでお出しします。

よろしくお願いいたします。


で、四ノ宮商店さんの麺の質はもうすでに信頼していて即決定だったのですが、それ以上に僕は四ノ宮商店の取締役の網野さんとまたこうしてお仕事ができることが幸せでした。

網野さんは僕が初めてラーメン屋に飛び込んだ店の先輩で、当時店の主任を務めておられました。

僕の2歳年上なので、当時はお互いに若かったのですが、網野さんは常に冷静、大人に対応、話上手の聞き上手。

僕はたった2歳差なのに「この人ずいぶん大人っぽいなぁ」と思っていました。

その頃の僕のイメージは『ムードメーカー』(網野さん談)だったそうです。

ヤンチャでしたからねー。

僕は網野さんによく飲みに連れて行ってもらったり、らーめん食べ歩きに連れて行ってもらったりしてたのですが、そんなある日の網野さんの言葉が今も僕の胸に刺さっています。

網野さん「どう?ここのらーめん美味い?」

僕「美味いっすね!」

網野さん「美味いよな。でもさ、大ちゃんここの店員さんにもう一度会いたい、って思うような人、いる?」

僕(店を見渡しながら)「うーん?特にはいないっす!」

網野さん「でしょ?大ちゃんはもう一度会いたい、って思わせるラーメン屋にならなくちゃいけないんだ。ラーメン屋がらーめんが美味しいのは当たり前なんだ。それプラス人間性でファンを作れなくちゃいけないんだ。それがマンパワーなんだよ」

僕「・・・マンパワー・・・わかんないっす!」

こんなやり取りをしたのですが、若い僕は日々の仕事で(後は毎晩の夜遊びで)いっぱいいっぱいだったので、正直な気持ちを言うとこの話を聞いたときは「そんなん、知らんやん」くらいにしか思っていませんでした。

でも網野さんは本当にお客様に人気のある店員でした。

お客様とコミュニケーションの取りづらいラーメン屋にあって、網野さんがホールを回すと本当にお店がスムーズに回ったし、お客様もニコニコでした。

特別派手なトークをするわけでもなく、特別なにかサービスをするわけでもなく、網野さんのさりげない気遣いやほんの一言の言葉遣いでお客様はどれだけ待っていても嫌な顔をしませんでした。(当時の僕の修行先は40人待ちとかざらな人気店でした)

マンパワーの意味はすぐにはわかりませんでしたが、網野さんの魅力こそがマンパワーなんかなぁ・・・と少しずつですが感じるようになりました。

人間味・・・って事なんかなぁ?

開店前に網野さんが麺の打ち合わせで金沢まで来てくれて、様々な麺を試したその後、二人で飲みに出かけました。

その時に僕が網野さんの言ってくれたマンパワーについて、「あの言葉、今でも覚えてます。僕もマンパワーを磨きたいな、って今なら思います」と伝えたら

「え?俺そんな事言ったの?若い頃の俺、良いこと言うねー!」

ですって(笑)

そんな網野さんの事をずっと尊敬しています。

網野さん、失敗と苦労の連続でなかなか前に進めないアホな後輩ですが、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。

前に食べて頂いた時よりも確実に美味しくなってるので、また金沢までお越しくださいね。

そしてdeep金沢にご案内いたしますので、またじっくり語り合いたいです。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。

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落ち着いた表情の網野さん(右)と、いつまでもガキっぽさの抜けない僕。

今回で俺とパイセンの麺物語シリーズは終了します。

らーめんや日常の出来事と関係のない趣味格好や音楽や本の話なんかも書いていきたいなー、と思っています。

これからもみなさんこのブログを読んでいただけてら嬉しく思います。

あなたが明日も優しくありますように。

あなたが明日もあなたらしくありますように。

LOVE & BEER!

そして

RAMEN & ROLL!!